伸びる人と伸びない人の決定的な違い
社会で生きていると,他人から「嫌な思い」をさせられることはたくさんある。
道でぶつかられる。
タバコの煙を服につけられる。
陰口をたたかれる。
痛いところをはっきりと批判される。
こういう「嫌な思い」と人間はどうつきあっていったらよいのだろう。
プレジデント6/16号は「名言」の特集を組んでいる。
フランスのエリート高校で哲学教師をしていたアランの言葉。
>雨が降りだしてきたら,舌打ちなんかせず,軒下に出て悠然と傘を広げよう。(中略)
対応の仕方はいくらでもあるものだ。(中略)
いやな言葉を吐いたり,いやな思いを抱いたりしてはならない。
私にはなかなかできないことである。
文句を言いたくなるし,反論もしたくなる。
救いは,記事のなかで,紹介した方が
>他人の言動でおかしなものがあれば,直接問いただせばいいのです
と述べてくれたこと。学校では,こんな場面がちょくちょくある。
残念なのは,ブログのような世界ではそれができないこと。
酸性雨や汚染水を降らせている人間から,未来を生きる人たちを守らなければならない。
自分は不愉快な思いをしたくないと表明しつつ,他人を不愉快にさせているというとんでもない人間を,どうしたら止められるのか。
若い教師に参考になる言葉がある。
東京大学大学総合教育研究センターの中原准教授が「ゆとり世代をOJTで伸ばすには」で紹介している
「かわいがられ力」。
教育現場にいると,本当に力のないまま引退を向かえようとしている教員に出会うことがある。
「どうしてこの人は,先輩たちからかわいがられずにここまで来てしまったのか」
という目でよく観察してみるとよい。
「かわいがられない理由」は,教師という職業を選ぶような人間なら,会っただけですぐにわかる。
1 言われたことがきちんとこなせない
2 人から学ぼうとする姿勢が示せない
3 状況を見極めてふさわしい行動を取ることができない
4 前向きにものごとを考えることができない
これらを「実現」できるように努力していけば,先輩たちにかわいがられ,
「伸びゆく新人」となることができるだろう。
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