教育の世界で,効率とか生産性を気にしていると,本質を見失う
自戒を込めて,書き記しておこう。
自分の仕事の仕方自体について,反省的に効率や生産性を問題にすることは無駄ではないだろう。
しかし,教育という仕事に「効率」とか「生産性」の成果を求めようとすると,必ず見失ってしまうものがある。
効率の検討に時間をかけて,時間的に非効率になっていく,なんていう問題を話題にしているのではない。
このような「ブログ書き」という暇つぶしの最たるものに生産性などを求める「まじめさ」にどれだけ意味があるのだろうか。
小説現代で連載されている宮城谷昌光の小説では,孫子の出番がやってきている。
ビジネスマンに永く孫子が読み継がれている理由は,
ビジネスの世界が「戦場」だからにほかならない。
しかし,教育の世界には「勝ち負け」など存在しない。
後にビジネスの世界に入って,「勝ち組」「負け組」に分類されてしまう人はいるかもしれないが,
教育はビジネスの世界での「勝ち組」への入り方を教える場ではない。
それでも,孫子の兵法は教育にも応用できる。
それは,なぜか。
>智者の慮は,必ず利害を雑う
たったこれだけの言葉を聞いても,はっとさせられる。
こんな当たり前のことすら,日常の生活の中では忘れてしまう私たちである。
「戦場」で活用できる知恵が,「日常」では役に立たないと言い切れる人間がいるだろうか。
必ずプラス面とマイナス面を列挙して,比較検討する癖をつけておきたい。
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