注目される東京都立高校入試の採点ミス対応
大阪だけでなく,東京でも,あってはならない入試の採点ミスが見つかっている。
不合格だったはずなのに合格になった生徒はラッキーだったとして,
その逆の生徒には気の毒だった。
もう進学先の高校での授業や生活が始まり,部活動などへの参加も始まっているかもしれない。
私立高校に進学した生徒はどうなるのだろうか。
東京都教育委員会は,慰謝料を支払うことも検討しているという報道があった。
さて,問題は今後の動きである。
東京都の入試採点業務は,それこそ気の遠くなるような厳重チェックを行って,絶対に間違いが起こらないように実施されてきたはずである。
だから,ミスがあった高校で,「こんなに何重ものチェックは必要ない,負担を軽減していこう」なんてこともあったとは考えられない(もし本当にそうだとしたら,大変重い処分が下ることになるだろう)。
大阪府の高校の先生は,少しほっとしているのではないか。
「東京でも同じじゃないか」と堂々と主張できる。
大阪でも,テストを「マークシート方式」にして,教員のミスが起きない仕組みが検討されている。
東京都で「マークシート方式」にGOサインが出たら,他の県も次々に追随するだろう。
教員としてはそっちの方がラクでもあるから。
ただし,記述式の問題もあるから,教員の採点業務が全くなくなるわけでもない。
(私が密かに心配しているのは,
記述式問題の採点が本当に適正に行われていたのかまで調査を入れ始めると,
きりのないことになりそうだということである。
これが都立の中高一貫校にまで波及すると・・・・。
入試採点・合否判定には,とてつもない労力と神経を使う。
公立高校の教師は,入試採点業務のときに特別ボーナスが出るという私立高校の教員をうらやましく思っている。)
いよいよ,マークシート方式の開始か。
本番で「塗り間違え」をする生徒はたくさんでてくるだろう。
こっちは受験生の責任になるから,高校はラクである。
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
東京と大阪の違い、教師の不祥事が圧倒的に大阪が多い
そして性にかかわる不祥事が大阪には多い
投稿: 匿名 | 2014/04/19 11:10