間違いを指摘し合える組織づくり
小学校6年生の育て方に慣れている小学校教師は多いだろう。
ただ,それが本当に子どものためになっているかどうか,確かめる手段をもっているだろうか。
崩壊しているあっちよりはまし,なんてレベルではないだろうか。
中学校の場合も,サイクルが短いから,10年くらいたつと,中1,中2,中3の特徴がつかめるようになり,どこをどのように刺激すると伸びるかわかってくる。
ピント外れのことをしているのを見ていると,たいてい,案の定,子どもから敬遠されるようになっていく。
一方,的を射ている教師のまわりには,子どもが集まっていく。
ピント外れの教育を受けてきたことがよくわかる子どもたちがいる。
中1でしばらく「かみ合わない」日が続くが,
「わがまま」という言葉の意味を初めて知るようになると,少しはましになっていく。
さて,信頼を得るようになった教師が気を付けなければならないことがある。
それは,「間違い」を指摘してくれる人が減るばかりか,
自分の「間違い」に気づきすらせず,「盲従」してしまう人が増えてくることである。
組織が,お互いの「間違い」を指摘し合える環境をつくるのは難しい。
ならばせめて,「ダメな気がするリスト」をつくったり,
「ダメな気がする」という言葉を表明する機会をつくったりするのがよいだろう。
「ダメな気がする」経験を2度も3度も繰り返してはいけない。
でも,そうでもしないと気づけないのが人間なのかもしれない。
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