私の夢(過去形・現在形)
私の夢は,ぜいたくなものだった。
月曜日は医師として病院につとめ,火曜日は実家で両親が始めた店の番をする。
水曜日は中学校の教師として,木曜日は小学校の教師として,学校に通い,夕方は母校の高校野球のコーチに行く。
金曜日と土曜日はプロ野球選手として,地元で行われる試合に出場する。
日曜日は,社会科の教材を集めるための取材旅行に日帰りで出かける。
われにかえると,・・・・子育てがいかに大変か,想像するゆとりがなかったことに気づく。
1浪していた教え子が合格の報告に来てくれている。医学部への進学者がずいぶんたくさんになった。
教育実習の「予約」に訪れた文学部,教育学部に在籍する教え子。
教え子がコーチとして,野球部のめんどうをみている。
夢では水曜日だけのはずの仕事を毎日するようになって,四半世紀近くになろうとしている。
途中の3年間,想定外の「行政」の仕事をして,
「教育」という仕事の難しさを「外」から見るようになり,
これだけは「内」からでしか変えられないと思って,今に至っている。
とにかくできるだけ早期に撤回すべきものが,「観点別学習状況の評価」である。
「ゆとりのなかで生きる力を育む」などの「かけ声」は,外野の応援席だけで十分。
やっていないことを,やっているつもりだなんて言い張るのはやめにしてもらおう。
できないことはできない,やっていないことはやっていないと言える,
正直な教師たちが増えていってもらいたい。
昨日,ある研究会がまとめた冊子が届いた。
何も前に進んでいない・・・というより,評価のしようのないところに埋没して行っている感覚に襲われる。
ある調査で,「いかにできていないか」という証拠が集まりつつあるが,その出し方が問題である。
とりあえずの私の夢は,
日本の教育における「学習指導」が,
「このままではまずい」という共通認識を全国民にもってもらいたいことである。
韓国などの教師が日本に来ると,中学校の教師が部活動の指導を放課後にしていることに驚く。
国際的に,教師が部活動の指導する,というのは,一般的なことではないだろう。
胸をはっていいことかもしれないが,本末転倒とはまさにこのことである。
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