【提言:教育委員会向け】 保護者からの「苦情」の「少なさ」ランキングの発表を!
学校を選ぶ上で,保護者として参考にしたいことの一つに,
「先生方にどのくらいゆとりがあるか」がある。
学力面の課題については,教員の資質能力の差が問題になっているのは確かだが,
実際のところ,資質能力そのものの差による結果よりは,
中学校なら「学習指導以外の部分でどのくらい労力が裂かれているか」によるケースも多い。
たとえば「部活だけに命をかけている教師」とか,
「苦情対応に追われている教師」など。
小中学校の苦情対応は,一般的には管理職が行い,・・・ということは,出張の多い校長ではなく,副校長,教頭がその対応に当たっているのだろうが,保護者から直接的に苦情をもらう,という「信用されている先生」も少なくないだろう。
保護者対応は,「苦情的内容」と「相談的内容」に大きく分けられるが,
エネルギーを割かれるのは前者である。
時間的にも,精神的にも,かなりの労力を要する。
教育委員会には,このような「保護者対応」の実態を調査してもらいたい。
保護者としては,そのデータを知りたい。
もちろん,「事実を隠す」ことも想定内である。
しかし,教育委員会には,「保護者対応」が多い,かつ,重い,という訴えがあった学校には,どんどん優先的に人員を配置することを検討する(行政用語で「検討する」は,「何もしない」という意味にもとれるのだが,ここではその点は無視する),というメッセージを発するきっかけになる。
普通に考えれば,「保護者対応」のうち,「苦情対応」に要する時間が少ない学校ほど,教師は通常の教育に時間を費やせているという安心が得られる。
「相談的内容」に要するエネルギーを公開すれば,
「親身になって保護者の話を聞いてくれる」という安心感をPRすることにもなる。
ぜひ,前向きに(・・・これも行政用語で,「何もしない」ことも意味するが)検討してほしい。
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