教師ならわかる「突然いい子ぶる子ども」の特徴
ウラ研修ネタなら,私よりもいくらでも「専門性」の高い先生方がいらっしゃるでしょう。
「イデオロギーこてこての社会科教師の扱い方」などは,生徒向けにも必要な研修?かと思いますが,評価が授業者に一手に握られてしまっている分,ある程度はがまんしないと「いい成績」はとれません。
私がもし受け持ちの子どもの能力を正確に評価しようとしたら,複数の別の先生に授業やテストを実際にしてもらって,そこでの評価を総合して知らせてあげたいですね。
私が評価した場合と,全く異なる,なんて生徒はざらにいそうで,困るケースも想定されますが,お互いにどこがどのように優れているか,ということをきちんと議論し合えば,双方の誤解が解けて,その生徒の評価はどちらかというと,上がっていくことの方が多くなると思われます。
長所を見つけるのは,複数の目でないと難しい面があるのです。
だからは教員評価をする場合には,私は360度評価が欠かせないと以前から主張しています。
話をもとに戻すと,子どもの学習に対する正しい評価は,ティームティーチングなどをしているところでは,上にあげた方法だけでもいくらでもできるのですが,仕事量は一人でやるときよりも何倍にも増えるため,「わざわざ忙しくするために一人を二人にしたわけじゃない」なんて言い訳のために,なかなか実現できません。
また,同じような指導力の教師が二人で組むことは,今のように小規模化してしまっている学校ではなかなか難しいでしょう。
教師は一人でも,できることがあります。
教師が無条件に子どもに期待をかけてあげることで,その逆よりも子どもが伸びるということを私たちは知識として知っています。教育心理学で必ず習います。しかし,それを実践する人は少ない。
どうしてなんでしょう?
なぜ子どもへの高い評価を出さない方向へ,教師たちは動くんでしょうか。
簡単に言えば,子どもが嫌い,教育が面倒くさいからに他ならないでしょうね。
だって,好きな人に対して,その人がより高い評価が受けられるように努力できるなんていう楽しい仕事が,嫌いなんていう理屈は成り立たないでしょう。
でも,仕事の嫌々感,倦怠感,荒れに対する面倒くささ,それがどうしても表に出てきてしまう人がいるんですね。
そういうことばかりを書いて公開していた人間が,どさくさに紛れてか,急に「品格」なんてことを言いだし,自分の反省ネタや自虐ネタを増やし始めている。
教師なら,突然こういう行動に走る子どもが,何かしでかしているのは経験上,感知しているはずです。
注意が必要ですね。手遅れなのがわかっているのに,慌てている子どもを見ると,何だか怒りよりも同情の方が勝ってしまう年齢に私もなってしまいました。相手の方が年上だと,なおさらです。
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