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小学校時代に「日本史」を学なばい日本人と「アメリカの通史」を学ぶアメリカ人の違い

 日本史を必修にする,という政府の方針を聞いて,

 「高校で日本史を学習しないでよい仕組みがあったのか」

 と逆に驚いた方がいるかもしれない。

 「国際化への対応」という観点から,世界史は必修とされた。

 しかし,自国の歴史への理解がない「国際人」「グローバル人材」などいない,

 ということがやっとわかって,「日本史」必修にたどりついた,という次第である。

 東京都は独自の方針で,すでに都立高校における日本史を必修にしている。

 特に,「江戸の歴史」を大切にする,というメッセージがきいている。

 これまでは,大学入試(センター試験)の弊害で,試験勉強の負担にならないよう,日本史を選択しないという「工夫」ができた。・・・というように,大学入試というのは「本当の勉強」の弊害になっている。

 「世界史未履修」を隠しているところも,さすがに「必修日本史未履修」というのは無理だろうから,

 学習指導要領が改訂されるとほとんどの日本人が高校で「日本史」を学ぶことになる。

 ところで,中学校の歴史学習は,基本的には日本史の通史学習である。世界史は,日本の歴史の動きと関係が深いものに限って学んでいる。

 小学校6年生では,歴史上の人物にスポットをあてて,各時代におけることがらを学ぶ。

 小中高と「日本の歴史」を国が学ばせることの意義は何か。

 これから,小学校の歴史学習,中学校の歴史学習についても「問い直し」が行われるだろう。

 民主的ではなかった時代のことを延々と覚えさせられている日本と,

 植民地時代→独立戦争と新国家建設→南北戦争→インディアン戦争→WWⅠ→WWⅡ→冷戦

 という「戦争の歴史」を通して民主主義の意義を考えさせるアメリカとでは,

 歴史教育を通して描けるようになる「国家像」がかなり異なっていることは言うまでもない。

 日本ではやたらと「学び方」にこだわる(小学校の教師ほど,「学習課題が何か」とか,「学習過程がどう」とかにうるさい)。

 だから,当然,子どもは「読み物としての歴史」に授業でふれることはないし,わずかな資料をたよりにああでもない,こうでもないと意見を発表させられるだけで終わってしまう。

 アメリカの小学生が学ぶ歴史教科書は,対訳が出版されている。

 日本の小学生に同じような教科書が使えるかどうか,一度ゆっくり考えてみるのもよいだろう。


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  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
    「楽毅」第三巻より
  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
    「楽毅」第二巻より
  • なにかを信じつづけることはむずかしい。それより、信じつづけたことをやめるほうが、さらにむずかしい。
    「楽毅」第二巻より
  • からだで、皮膚で、感じるところに自身をおくことをせず、頭で判断したことに自身を縛りつけておくのは、賢明ではなく、むしろ怠慢なのではないか
    「楽毅」第二巻より
  • こうする、ああする、といちいち目的と行動とを配下におしえつづけてゆけば、配下はただ命令を待つだけで、思考をしなくなる。この四人はいつなんどき多数の兵を指揮することになるかもしれず、そのときにそなえて自立した思考力をもつ必要がある。
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