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脳のせいにすれば仕事になる

 小学校では,姿勢が悪い子どもの増加が話題になっているという。

 家庭で机に向かって勉強をしているとき,親から「姿勢が悪い!」と注意された人はどのくらいいるだろう。

 年代別に見たら,どうだろう。

 昔から,「姿勢が悪い」=「やる気が足りない」のような考え方があった。

 「しゃきっとしなさい!」

 という言葉の裏には,

 「気持ちをしっかりもてば,おのずから姿勢はよくなるもの」

 という考え方があったものと思われる。

 最近では,姿勢が悪いのは

 「大脳前頭葉の発達が遅れているせいだ」

 という考え方があるらしい。

 また,「セロトニン神経が十分にはたらいていないから」とも考えられるという。

 背筋などの抗重力筋に緊張を与える役目をもったセロトニンは,太陽光を浴びることで増加し,それをもとにして夜にはメラトニンが生成される。メラトニンは,体温を下げて眠りを誘うホルモンだそうだ。

 夜にゲームをして光の刺激を受け続けると,メラトニンの分泌が抑制される。そして,昼に太陽の下で動いていない子どもたちは,原料であるセロトニンが足りない・・・だから・・・

 と親に向かって話していれば,「仕事」になる人がいる。

 権威が下がってありがたみがない教師から聞くよりは,

 お金を払ってきてもらった人から聞く方が効果がある。

 雇用の裾野を広げるという意味で,教育現場もそれなりの役割を果たしているようだ。

 専門家には,子どもを見て,

 セロトニン不足でそういう姿勢になっているのか,

 前頭葉に課題があるのか,

 即座に判定してもらいたい,というのが親や教師の願いだが,そうもいかない。

 最近,学力低下の問題でも,

 「そもそも子どもの脳の問題だ」ですまされてしまうようなケースが増えてきた。

 これはいわゆる「思考停止ワード」である。

 このような「脳の問題」をコツコツとブログで解説してくれている人がいて,

 「脳に課題がある人とはかかわるな」などと書いているが,

 こういうタイプの人間が,実は教師の中にも多い。

 「教育」という仕事につくには最も不向きな,子どもや親からすれば迷惑極まりない人々である。

 「教育」は,そういう課題がある人とどう付き合うか。

 そういう課題をどう乗り越えていくか。

 それを子どもや親と格闘しながら?探っていくのが教師の役割である。

 学校見学で参考になる一場面は,校庭で行われている集会である。

 その「立ち姿」で多くの部分がわかる。

 残念なのは「朝礼」がほとんどなので,時間が早くて見に行きにくい。

 しかし,教師の「立ち姿」で参考になるのは,この朝礼のときである,
 
 というのが20年の私の経験から言えることだ。


 まっすぐ立てない若者が増えているかどうか,

 企業の採用(面接)担当者にも聞いてみたい。

 

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コメント

昔良く、『制服の乱れは心の乱れ』とかいって制服の規正がおこなわれていたのですよ、今でもそういう考えあるでしょうけれど、原因の方を直そうとしないで結果の方をいじくりまわす。そういうことを端的に表しているように思います。
子供の脳の発達には個人差がありますが、セロトニン不足は結果の方で、げんいんではありません、最先端の鬱病治療に関する記事を参考にするとよくわかると思います。
要するに、授業がおもしろくないのです、積極的に参加したくないのです、おそらく何らかの矛盾が子供の心のなかで解決できないまま授業を受けているのです。

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  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
    「楽毅」第三巻より
  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
    「楽毅」第二巻より
  • なにかを信じつづけることはむずかしい。それより、信じつづけたことをやめるほうが、さらにむずかしい。
    「楽毅」第二巻より
  • からだで、皮膚で、感じるところに自身をおくことをせず、頭で判断したことに自身を縛りつけておくのは、賢明ではなく、むしろ怠慢なのではないか
    「楽毅」第二巻より
  • こうする、ああする、といちいち目的と行動とを配下におしえつづけてゆけば、配下はただ命令を待つだけで、思考をしなくなる。この四人はいつなんどき多数の兵を指揮することになるかもしれず、そのときにそなえて自立した思考力をもつ必要がある。
    「楽毅」第二巻より
  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
    「楽毅」第三巻より
  • 勇と智とをあわせもっている者は、攻めるときよりも退くときに、なにかをなすときより、なにもなさないときに、その良質をあらわす
    「楽毅」第二巻より