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小学校学習指導要領・社会科編(試案)=昭和22年版 に示された,小2・社会科の学習活動例

 さすがコアになる教科。

 小学校2年生で,クラブをつくり,その規則までつくらせる教育がイメージされていました。

 法教育はここから始まっていたわけですね。

 掲示板に,時事問題を掲げるというのも,すごいことです。

 このようなレベルの小学校のカリキュラムを実践するなんていったら,大人気校になるかもしれません。


**********************

問題一 世の中になれるには私たちはどうすればよいか。

~学習活動の例~

(一) 児童の使用する場所を見つける。

 1.大きな地図(床や地面に白ぼくやペンキで描いてつくる)を校庭か室内運動場に作り,郷土の街路を示し,主要な建物の小さな模型を配置する。
 
 2.郷土の一部分を模型に作り,そこで模擬的な生活活動を行う。

 3.商店・配給所・線路・(自動車などの)停留所・寺社・教会・警察署・派出所・病院・火の見やぐら・ポンプ置場・学校・郵便局その他郷土の公共建築物を示す大絵図を作る。

 4.家の住所を書く。

 5.よく目に触れる道路標識,方向指示標を読む。

 6.自分のよくお使いに行く場所への道すじを示す。

 7.東西南北の方向を知り,目じるしを作る。


(二) 世の中のためになっている人々とその仕事について知る。

 1.商店ごっこをする。

 2.教師か上級生といっしよにみんなで学級用品を買いに行き,あとでその費用を調べる。

 3.汽車,自動車,電車,船等で働いている人たちについて話しあったり物語を読んだりする。

 4.電気会社や配給所の人のしてくれる仕事について話しあう。

 5.消防署や警察署へ行って消防夫や警察官が人々を護る有様を実地に見る。


(三) 他の人の手助けをする。

 1.自分のできる家業の手伝いを報告する。

 2.お使いがうまくできたことについて報告する。

 3.小さい弟や妹をどんなふうに世話することができるか話しあう。

 4.どんなふうにすれば親や大人たちの手をわずらわさないで自分のことを自分でやれるかを話しあい実行する。

 5.一年生が困っていることを見つけて話しあい援助する。たとえば学校へつれて来てやったり,愉快に遊べるように世話してやったりする。


問題二 私たちはどうしたら健康で安全でいられるか。

~学習活動の例~

(一) 食物を選んだり準備したりする。

 1.成長期の男児女児に適した食物について話しあう。

 2.成長期の子供が毎日たべなければならない食物の表を作る。

 3.郷土でできる食物をとり入れて簡単な献立を作る。

 4.商店や市場に行ってその土地で入手できるいろいろな種類の食物を手に入れる。

 5.付近の農家や農園の有様を見る。

 6.各季節における食物の貯蔵法(かん詰,冷凍,乾燥等)について話しあう。

 7.各季節に家庭で行われる食物の保存のしかたを調べて報告する。

 8.清潔に食物を取り扱うことについて話しあい実行する。

 9.保健上の実施事項について校医や養護訓導及び教師と座談会を行う。

 10.自分の身長体重,胸囲の増大を記録する。

 11.皮膚を鍛練する目的について聞き,その方法を話しあって実行する。

 12.歯科医を招いて歯の衛生に関する話をしてもらう。

 13.用便後,作業後,帰宅後,並びに食前に手を洗う習慣をつける。

 14.皮膚病や眼病になった時,しなければならないことについて話しあう。

 15.換気の必要について先生から話を聞く。

 16.正しい鼻のかみ方を実行する。

 17.毎週互につめを切っているか,きれいなハンケチや手ぬぐいを持っているか調べあう。

 18.手で目をこすってはいけないわけについて話しあう。

 19.昼食の後,静かに話しあったり室内での遊びをしたりする。

 20.道路通行中,乗車中,及び運動場での遊戯中の安全について話しあって,よいやり方を実行する。

 21.火災の訓練をする(どうしたらうまく逃げることができるか,着物に火がついたらどうするか)。


(二) 安全な衣服やはき物を選ぶ。

 1.不適当な衣服やはき物によって生じた危険を示す絵をかく。

 2.ポケットに手を入れていることの危険について話しあう。

 3.汗でぬれた着物を着ていて感冒にかゝった経験を報告する。

 4.雨降りの通学の際,かさやオーバーのために交通事故が起ることについて話しあう。

 5.運動,通学,遊戯にそれぞれ適当なはき物を図で示す。


問題三 草木の世話をしたりそれを利用したりするには,私たちはどうすればよいか。

~学習活動の例~

(一) 郷土に成育する植物の名をあげる。(たとえば米,麦,野菜,竹,松,桜,杉,梅,その他野生の植物を含み児童の目につくもの)

 1.農民が市場に持って行くもの,また町から買って来るものについて読んだり話しあったり観察したりする。

 2.人間や家畜(牛・馬・豚・やぎ・鶏等)の食料となる植物の絵を書いたり,その展覧会をする。

 3.根,葉,種子等その食用になる部分によって分類した植物の表を作る。

 4.学校給食用の野菜を作ったり持って来たりする。

 5.郷土における木材の使用(土木,建築,製紙等)について読物を作る。

 6.桑の葉と養蚕のことについて読物を作る。

 7.家の各部に使われている草や木を発見し,それについて話す。

 8.教室や家で花をいける。

 9.花屋に行って美しい花の種類を見る。

 10.郷土の花や植木を作っている人の所へ行って鑑賞用の植物を見る。


(二) 植物の世話の仕方を知る。

 1.花園や菜園を作ってその世話をし,日光,雨,肥料及び耕作(土質)の及ぼす影響を見たり話しあったりする。
 
 2.花園や菜園にとって有益な動物や有害な動物(こん虫,小鳥,鶏等)について観察したり,読んだり話しあったりする。

 3.家庭で採集した種子や球根や苗を学校に持って来て友達と交換する。

 4.種子や球根を水で育てて種子や球根の中にある養分の働きを観察する。

 5.種子をまいてその発芽する有様を見る。

 6.戸外観察を行って,いろいろな種子のいがや,からなどのおおいを見る。

 7.家で行われている草や木の霜除けや風除けのいろいろな方法を調べて報告する。

 8.噴霧器による害虫駆除,病害予防の方法(郷土で行われているもの)を見たり,それについて話しあったりする。

 9.採ってよい野花を採集し,採ってはいけない野花を実地について調べる。

 10.公園,神社,寺院その他公共の場所の植物を世話する方法について話しあう。


問題四 私たちは日常生活に必要ないろいろなものを,どういうふうに作り,どんなにして分配しているか。

~学習活動の例~

(一) 日常必要な品物について考える。

 1.日常生活に必要なものを挙げる。

 2.母親から家で買うおもな食物の名を聞く。

 3.おやつにたべたい食物を挙げる。

 4.台所に必要な道具にはどんなものがあるか話しあう。

 5.おけとか,たらいとか,飯びつその他,木で作っったいろいろな台所道具を示す絵をかく。

 6.おけ屋に行っておけやたらいの作られるようすを見る。


(二) 茶と果物について調べる。

 1.お茶の産地とか種類等について話しあったり観察したりする。

 2.茶の輸出の話を読む。

 3.茶を売る店の絵をかき茶の値段表を調べる。

 4.茶をつくる話を読む。

 5.茶摘みの唱歌を歌う。

 6.私たちの日々の生活にお茶がなくては困ることについて話しあう。

 7.郷土における果樹を調べる。

 8.暦を作って各季節にとれる果物の絵を入れる。


(三) 日用家具の歴史を発見する。

 1.なべ・かま・茶わん等の大きさを調べる。

 2.自分の家のなべやかまや茶わんがどこで作られたかどこで修理されるかということを調べる。

 3.自分の家のなべ・かま・おけ・たらい・飯びつ・茶わん等が何で作られているかまたいつ買い求められたものか調べる。


問題五 日常生活に必要な品物を有効に使うには,私たちはどうすればよいか。

~学習活動の例~

(一) 物を長持ちさせるために工夫する。

 1.はき物のはき方について母から受けている注意事項を報告する。
 
 2.家ではどこにはき物をしまつし,またどのように手入れをしているか調べる。

 3.くつ,げた,ぞうりがどのくらいでだめになるか報告する。

 4.はなおのすげ方を学ぶ。

 5.紙,鉛筆,帳面のよい使い方を工夫するために記録を作る。

 6.学校で紙を共同購入してその使用を記録する。

 7.家庭や学校の紙くずを調べその処分法を話しあう。

 8.学級の掃除道具(ほうき・ちりとり・バケツ・はたき・ぞうきん等)の整とんのしかたを調べる。

 9.こわれたおもちゃを持ちよって新しい使い方の工夫を話しあう。

 10.怒った時に他人の食物や所持品,衣服を損ずる悪いくせについて話しあう。

 11.かばんやランドセルを長持ちさせる工夫をし,それについて話しあう。

 12.道具や機械の使用法を誤った時の悪結果について話しあう。


(二) 家庭における光と熱の供給について調べる。

 1.電気がどこを通って家の中に導き入れられているか観察する。

 2.電気や木炭が家庭でどんなふうに使われているか報告する。

 3.発電所に行き送電線を見てそれらに関する話を読む。

 4.燃料になるいろいろな物を集める。

 5.木炭の配給所に行って薪や炭がどごで作られどうして運ばれて来たかについて聞く。

 6.木炭や薪の種類とその作られる場所とを調べる。

 7.炭や薪を作る場所を見に行って観察する。


問題六 手紙を送ったり受け取ったりするには,私たちはどうするか。

~学習活動の例~

(一) 手紙を出したり受け取ったりする。

 1.通信のいろいろな種類(葉書,封書,電報のごとき)について読んだり話しあったりする。

 2.なぜ郵便に切手をはるかについて話しあう。

 3.切手を調べて十銭切手,三十銭切手等がどんなふうに使われているか話しあう。

 4.手紙を書き,切手を買い,友人や親類の者に手紙を出す。

 5.病気で欠席中の同級生に見舞い状を出す。

 6.学級の切り抜き帳を作り,郵便配達人・郵使局・電話・放送局・受信器等の絵や写真を集めてはりつける。

 7.学級の催しものへ招く案内状を書く。

 8.毎日の集配度数を調べ,それについて話す。

 9.手紙の旅行(輸送経路を示す)についての物語や詩をつくる。


(二) 電話と放送のことについて学ぶ。

 1.電話や放送によって人々が意見を交換したりする有様を話しあう。
 
 2.電話ごっこや放送ごっこをする。

 3.ラジオの子供の時間を聴き,それについて話しあう。

 4.電話番号による呼び出し方をしらべ,電話のかけ方を学ぶ。


(三) その他の方法を実施する。

 1.同級生の経験を知らせる学級新聞をつくり,教師の助力を得てその複写あるいは印刷をする。

 2.学級の掲示板に時事問題をしるす。

 3.学校からの手紙を名あての家に配る。


問題七 私たちはどうしたら楽しい時間が過ごせるか。

~学習活動の例~

(一) 戸外で楽しむ。

 1.家の庭や校庭,公園等でのなかまとの遊びについて相談し計画していっしょにやる。

 2.新入生や遊びになれない友だちを誘っていっしょに遊ぶ。

 3.ふだんはいっしょに遊ばない友だちをなかまにして遊ぶ。

 4.家庭菜園の手入れをし,家でとれる野菜の話を書く。

 5.公園や山林,川,池などに出かけて,動植物を見たり,自然の美しさを楽しんだりする。

 6.葉や幹によって木の名を見分ける。

 7.その土地にありふれた木の葉や幹(樹皮)を示す図表を作る。

 8.まゆを集めて来て,教室におき,ちょうやがの一生を観察する。

 9.色や特徴や鳴き声で小鳥を見分ける。

 10.郷土の美しい景色や愛すべきもの(日の出,日の入り,川,丘,樹木,花等)を見たり話しあったりする。

 11.四季特に春さきや秋の野外の自然の色彩を観察しあう。

 12.その地方における愛らしい動物,役に立つ動物の話を読んだり聞いたりする。

 13.家畜やその他の動物が人間に対し好感を示す時や,敵意を示すときに見せる習慣について話す。

 14.森や野原を歩いて小枝を集めたり,食用になる雑草を採集する。


(二) 室内で楽しむ。

 1.一家だんらんの楽しい時間について話す。

 2.雨の日に遊ぶ道具を作る(十六むさしとかダイヤモンドゲームとか)

 3.大きな積み木を作ったり使ったりする。

 4.病気の友だちに贈るおもちゃや本を作る。

 5.木やおもちゃの修理をする。

 6.映画や紙芝居,影絵を楽しむ。

 7.簡単な楽器を作って使用する。

 8.なかまと合唱する。

 9.朗読会,俳句の会,歌の会を催す。

 10.学校で友だちといっしょに使うのに都合のよいおもちゃを持って来る。

 11.レコードを聴き,これにあう絵を書いたり動作をしたりする。

 12.リズムバンドを作り演奏する。

 13.美しい詩歌や物語を読む。

 14.芋,大根などではんをつくって紙に押す。


(三) お祭や年中行事を楽しむ。

 1.一年中のお祝いをできるだけたくさん挙げる。

 2.祝祭日の表を作る。

 3.ひな祭その他に人を招く文を書く。

 4.招待状の返事を書く。

 5.お祝いの日に友だちの家に行って楽しかったことを話す。

 6.友だちを訪ねて帰宅がおそくなった時,両親がどんなに心配するかについて話す。

 7.年中行事の話を読んだり聞いたりする。

 8.その土地や他の土地のお祭のときの経験を話す。

 9.お祭や行事のときの出来事の絵を書いたり物語をつくったりする。

 10.年寄りから,その人たちの若かったころのお祭のようすを聞く。

 11.学芸会に合唱,斉読,お話,遊戯等を計画し実施する。

 12.学芸会その他に両親や兄姉等を招く。

 13.お祭,祝日,学芸会その他の集会の準備をする。


(四) クラブをつくって楽しむ。

 1.仲のよい者とクラブをつくり,なかまをふやして行く。

 2.クラブの名まえをえらぶ。

 3.クラブの規則を作る。


問題八 どうすれば,私たちは身のまわりのものを美しく,また清潔にすることができるか。

~学習活動の例~

(一) よごれた場所を美しくする。

 1.家や学校その他を美しく清潔にしておく手つだいの方法を挙げて表にする。

 2.よごれた場所やこわれた場所を美しく清潔にする工夫を話しあい実行する。

 3.紙くずを紙くずかごに入れる。

 4.教室や家の掃除をする。

 5.ハンケチや手ぬぐい等小さなものを洗う。

 6.村(町)学校などを美しくしておくために働いている人々の話を書いたり読んだりする。


(二) 身のまわりを整とんする。

 1.机の中をきれいにしておく。
 
 2.自分のものを整とんしておく箱や引き出しを作る。

 3.成績品をしまっておく紙ばさみを作る。

 4.教師や母の整とんを手つだう。

 5.学級の道具や用品をしまっておく。

 6.衣服やはき物,雨具等をきちんとしまう。

 7.衣服を保護する方法について話しあい実行する。

 8.美しい掲示板をつくって絵や切り抜きをはる。

 9.絵や額を上手にかけたり,つるしたりする。


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宮城谷昌光の言葉

  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
    「楽毅」第三巻より
  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
    「楽毅」第二巻より
  • なにかを信じつづけることはむずかしい。それより、信じつづけたことをやめるほうが、さらにむずかしい。
    「楽毅」第二巻より
  • からだで、皮膚で、感じるところに自身をおくことをせず、頭で判断したことに自身を縛りつけておくのは、賢明ではなく、むしろ怠慢なのではないか
    「楽毅」第二巻より
  • こうする、ああする、といちいち目的と行動とを配下におしえつづけてゆけば、配下はただ命令を待つだけで、思考をしなくなる。この四人はいつなんどき多数の兵を指揮することになるかもしれず、そのときにそなえて自立した思考力をもつ必要がある。
    「楽毅」第二巻より
  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
    「楽毅」第三巻より
  • 勇と智とをあわせもっている者は、攻めるときよりも退くときに、なにかをなすときより、なにもなさないときに、その良質をあらわす
    「楽毅」第二巻より
  • 目くばりをするということは、実際にそこに目を遏(とど)めなければならぬ。目には呪力がある。防禦の念力をこめてみた壁は破られにくく、武器もまた損壊しにくい。人にはふしぎな力がある。古代の人はそれをよく知っていた。が、現代人はそれを忘れている。
    「楽毅」第1巻より
  • 知恵というものは、おのれの意のままにならぬ現状をはげしく認識して生ずるものなのである。
    「楽毅」第1巻より
  • 会う人がちがえば、ちがう自己があらわれるということであろうか。
    「奇貨居くべし 黄河編」より
  • 静寂に染まりきれば、ふたたび起つことはない。生きるということは、起つ、ということだ。自然の静謐に異をとなえることだ。さわがしさを放つことだ。自分のさわがしさを嫌悪するようになれば、人は死ぬ。
    「楽毅」第四巻より
  • 人というものは、自分のやっていることをたれもみていないと思い込んでいるが、じつはたれかがみており、やがて賛同してくれる人があらわれる。
    「春秋の名君」より
  • 寵を受けても驕らず、驕っても高い位を望まず、低い地位にいながら怨まず、怨んでもおのれを抑えることのできる人は少ない
    「沈黙の王」より
  • 小さな信義が、きちんとはたされてこそ、それがつもりつもって、大きな信義を成り立たせる。それゆえに、明君は、小さな信義をおろそかにせず、つねに信義をつむように、心がけるものである
    「歴史の活力」より
  • 奥の深いことと、表現がむずかしいこととは、むしろ逆の関係にある。むずかしい表現のほうが、ぞんがい簡単なことをいっている場合が多く、やさしい表現のほうが、奥の深いことをいえる。
    「歴史の活力」より
  • 黄河の流れは悠久とやむことはない。河床もあがりつづけるのである。いくら堤防の高さをましてもらちのないことであった。
    「侠骨記」より
  • 人はおのれのままで在りたい。それは願望とはいえぬほどそこはかとないものでありながら、じつは最大の欲望である。人の世は、自分が自分であることをゆるさない。
    「奇貨居くべし 春風篇」より
  • 外をもって仕えている者は信用するに足りぬ。つまり男でも女でも内なる容姿というものがあり、その容姿のすぐれている者こそ、依恃(いじ)にあたいする。
    「奇貨居くべし 春風篇」より
  • 橘という木があります。この木が淮水の南に生ずれば、すなわち橘となります。ところが淮水の北に生ずれば、すなわち枳となります。葉は似ておりますが、実のあじわいはことなります。なにゆえにそうなるかと申しますと、水と土がちがうからです。そのように、その者は斉で生まれ育ったときは盗みをしなかったのに、楚にはいって盗みをしたのです。楚の水と土は、民に盗みをうまくさせようとするところがありませんか
    「晏子」(第四巻)より
  • 倹より奢に入るは易く、奢より倹に入るは難し
    「中国古典の言行録」より
  • 礼儀という熟語がある。礼とは万物を成り立たせている根元に人がどうかかわるかという哲理のことで、儀とは礼をどう表現するかというレトリックをいう。その二つが組み合わさって礼儀ということばが生まれた。
    「春秋の色」より
  • 都邑が矩形であるのは、この大地が巨大な矩形であると想像するところからきている。したがってかぎりない天地と形容するのは正確さに欠ける。大地にはかぎりがある。ただし大地は四方を高い壁でかこまれているわけではない。とにかく独創とか創見というものは、思考が狭い矩形をもたぬということではないか。人はいつのまにか思考を防衛的にしてきた。他者を拒絶しがちである。思考の四方に感情という壁を立てて、他者と共有してきた天を極端にせばめてしまった。
    「子産(下)」より
  • 人というものは、恩は忘れるが、怨みは忘れぬ。
    「孟嘗君 5」より
  • 人はたれにもあやまちがあります。あやまちを犯しても改めれば、これほど善いことはありません。『詩』に、初めはたれでも善いが、終わりを善くする者は鮮(すくな)い、とあるように、あやまちをおぎなう者はすくないのです。
    「沙中の回廊(下)」より
  • 「わたしは侈っている者を烈しく憎まない。なぜなら侈っている者はおのずと滅ぶ。が、なまけている者はどうか。わたしはなまけている者をもっとも憎む」
    「沙中の回廊(下)」より
  • 人を得ようとしたければ、まずその人のために勤めねばならぬ。すなわち、晋が諸侯を従えたいのであれば、諸侯のために骨折りをしなければならない。
    「子産(上)」より
  • 知るということは、活かすということをして、はじめて知るといえる。
    「青雲はるかに(上)」より
  • 師はつねに偉く、弟子はつねに劣っているものでもない。弟子の美点に敬意をいだける師こそ、真に師とよんでさしつかえない人なのではないか。
    「孟嘗君 2」より
  • 人を家にたとえると、目は窓にあたる。窓は外光や外気を室内にとりいれるが、室内の明暗をもうつす。そのように目は心の清濁や明暗をうつす。
    「孟嘗君 2」より
  • 人にものごとを問うということは、質問そのものに、問うた者の叡知があらわれるものである。
    「孟嘗君 3」より
  • 人から嫌われることを、避けようとする者は、心の修養ができていないことである。
    「中国古典の言行録」より
  • 人を利用すれば、かならず人に利用される。・・・企てというのは、人に頼ろうとする気が生じたとき、すでに失敗しているといってよい。
    「太公望 中」より
  • 与えられてばかりで、与えることをしないことを、むさぼると申します。むさぼった者は、なべて終わりがよくない
    「孟夏の太陽」より
  • ・・・料理をつくりながら、人と組織とをみきわめたのか。素材が人であれば、素材を合わせてつくった料理が組織である。それ自体はにがく、からいものでも、他の素材と合わされば、うまさを引きだすことができる。煮るとか蒸すとかいうことが、政治なのかもしれない。
    「太公望 中」より
  • 他人を変革するためには、まず自己を改革しなければならね。
    「太公望 中」より
  • 人が何かを得るには、二通りあります。与えられるか、自分で取るかです。(中略)与えられることになれた者は、その物の価値がわからず、真の保有を知りませんから、けっきょく豊さに達しないのです。
    「奇貨居くべし 春風篇」より
  • みじかいなわしかついていないつるべでは、深い井戸の水を汲むことはできない。
    「奇貨居くべし 黄河編」より
  • 人は目にみえるものを信じるが、そのことにはかぎりがあり、けっきょく、人が本当に信じるものは、目にみえぬものだ
    「晏子」第二巻より
  • 人にはそれぞれこだわりがあり、そのこだわりを捨てて、変化してゆく現実や環境に順応してゆくことの、何とむずかしいことか。
    「奇貨居くべし 飛翔篇」より
  • 失敗を心中でひきずりつづけると、起死回生の機をとらえそこなう。それは戦場における教訓にすぎないともいえるが、大きな勝利とは、相手の失敗につけこむのではなく、自分の失敗を活かすところにある。楽毅の信念はそうである。
    「楽毅」第四巻より
  • 人の頭脳のなかの眼力は、木の幹にあたるであろうが、幹をささえるものは知識という葉ではない。根である。根は地上の者ではどうすることもできない伸びかたをする。その根は天から落ちてくる水を吸い、人からあたえられる水も吸って太ってゆく。
    「奇貨居くべし 春風篇」より
  • 大木にするためには、幹の生長に目をうばわれがちであるが、地中の根を大きく張らせることを忘れてはならない。花を咲かせることをいそぐと、花のあとの結実をおろそかにしてしまう。要するに、大木でなければ豊かな実をつけないということである。
    「奇貨居くべし 春風篇」より
  • あらゆる事態を想定して準備を怠らず、変化に対応できるようなトップでいなければならない。
    「中国古典の言行録」より