本物の教師は,失敗したときでも笑顔でいられる子どもを育てる
人はどんなことにでも成功をおさめられるような存在ではありません。
できない子どもをできるようにするのが,教師のつとめである,というのもうなずけますが,
できないままの子どももいることは忘れてはいけません。
何かが失敗に終わってしまったら,子どもは達成感も得られず,プラスには働かない,と思っている人もいるでしょうが,人生そのもののことを考えてみてください。
どこかの学者は,「だれもおいてきぼりにしない」ことをモットーにしているようですが,
それは一歩間違うと「すべての子どもをおいてきぼりにする」ことを意味する可能性があることも忘れないでほしいと思います。
ふだんはできる子どもでも,緊張すればできなくなることもありますし,
気が緩んでできなくなることもあるでしょう。
大切なのは,くじけない心を育ててあげているかどうかです。
前向きに,次のチャレンジに向けて歩み出せる子どもを育てているかどうかです。
ドラマ好きな人のなかには,ハッピーエンドで終わらなければ気が済まない,という人もいるかもしれませんが,人生はそんなに甘くないですよ。
むしろどのくらい積極的に失敗できる子どもを,どのくらいの程度までを許容して増やしていくか,という発想がほしいものです。
ちなみに,私の行事指導のスタンスがこれです。
「成功潔癖症候群」を減らすことで,世の中のいくつかの問題は解消されていくと思われます。
世の中では,多くの問題が解決困難なのです。
でも,何もしないわけにはいきません。
「失敗許容量」の見極めが,これからの世の中,大切になってくるでしょう。
だから,それを見極めるための実践を私は繰り返しているのです。
ちなみに,行政は,失敗のリスクがあることにはお金を出しませんし,GOサインも出ません。
行政だから,仕方がないかもしれない。
だからこそ,行政をあてにせずに失敗のリスクがとれる人を増やす必要があるのです。
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