「テストのための教育」と「テストで学力の確実な定着が証明できる教育」の違い
教育は,テストでいい点をとるため「だけ」に行っているわけではありません。
しかし,テストでいい点がとれるようにするための教育(学習指導)は行っています。
その学習指導の「能力」「態度」が,最も疑われているのが公教育です。
なぜなら,「テストでいい点がとれたからって,何だっていうの?」とホンネをぶちまける教師がいるのが公教育の現場だからです。
「頑張って教えてテストでいい点がとれるようにしたからって,給料が上がるわけではない」なんていうホンネを言う教師がいるのが,公務員がつとめる学校という教育現場だからです。
そして,実際に「この程度では中学校(高校)で困る」子どもを上級学校に送り出しているのが,義務教育の現場だからです。
「私の学校の子どもは,本当に勉強に対するやる気がわかなくて,授業もろくに聞かない,そんなことで学力は向上しない」という声をきいたことがありますが,
「あなたは何の仕事をしている人ですか」
とはなかなか聞けない。
職業に対する使命感に乏しい人がどうしても目立ってしまうのが,公教育の現場です。
こういうことを言うと,
「ただでさえ忙しいのに,もっと仕事を増やさせるつもりか?」
と反論する人が必ずいますが,もう一度,確認したいのが,
「あなたは何の仕事をしている人ですか」
ということ。時間を長くすれば,結果が出るわけではないことは,だれが考えてもわかります。
授業の質を向上させないから,A問題の出来はいいのにB問題の出来が悪い,という結果で証明されてしまうのです。
そんな現場をさらに甘やかすのが,「新聞」の言葉です。
学校別の成績を公表したら,
~テストのための学校になってしまう~
・・・・?
こういう発想があるから,塾産業が大繁盛するわけでしょうが・・・。
塾のように,学習指導を懇切丁寧に学校が行うことが,まるで
「悪い」ことのように扱われるわけですね。
「テストでいい点をとれるからって,いい人間になるとは限らない」
・・・・それはその通りですが,
「だから,テストでいい点をとれる必要はない」と言い切るのですか?
全国学力調査問題の内容を知らない人が多いので,説明に時間を要することになるのですが,
今の全国学力調査の問題は,それ自体に学力向上のヒントがたくさん隠されているのです。
「こういう問題を解けるようになることが大切なのだな」という意識を児童生徒がもてるようになるだけでも,大いなるプラスになります。
露骨な質問を児童生徒に出さないのは,一応,文部科学省の良心なのでしょう。
「普段の授業と,このような問題を解く授業と,あなたはどちらの方がためになると思いますか?」
だれも,「テストのためだけの教育」を学校には求めません。
しかし,「テストで学力の確実な定着が証明できる教育」を求めることは当然でしょう。
それを求める根拠になり得るのが,学力調査の得点公表です。
あらかじめ,起こり得る「教師による悪あがき」を防止するため,
「教師べからず集」を用意しておいてみたらどうでしょう。
またいつか話題になったときに,「教師べからず集」を公開したいと思います。
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