中2になって急に伸び始めた子どもたち
恥ずかしながら,これは学校現場での話ではない。
私は大学時代に塾のアルバイトを3年近くやっていたので,
やや「長い付き合い」になった子どもたちがいる。
ある教室では,中1から高1までの英語を教えていた。
中1から持ち上がりのような形で教えていた子どもたちの学力が,
中2になって,急に伸び始めた。
困ってしまったのは,塾の方である。
私が担当していたそのクラスは,そもそも「勉強が苦手」な子どもたちのためのものであった。
「自信」だけでなく,「実力」が身についていた。
塾に「気まずい雰囲気」が生まれる理由はお分かりになるだろうか。
その話はここでのテーマではない。
なぜ中2で伸びたか?
これは私自身と「同じ」方法で学ばせた結果,「同じ」ように伸びたのだ,
と私は考えている。
中1のときは,「聞く力」を中心に鍛えた。
「聞く力」が育っていないと,「次が続かない」のが英語の学習である。
・・・・なんてことは,大学生のアルバイトにはだれも教えてくれる人はいない。
自分が受けた教育の成果を信じてそのまま教えただけである。
塾では,テキストの決められたページを,決められたペースでこなしていく
必要があるが,「聞く力」をつけるには,そのページにある単語だけを
聞かせてもだめである。
他の講師との違いは,その程度のことだったのかもしれない。
私は今,社会科の教師である。
なぜこんな話をしたのか?
学校時代に自分が受けた教育の成果が,
人に教える上で役に立つ,という実感がもてるのは,
小学校なのか,中学校なのか。
そもそもそういう実感がもてている人が,
教師になっているのか,どうか。
それを知るすべはない。
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