「格上」とか「格下」にこだわる人へ
上だとか下だとか,
偉くなるほどへりくだるべきだとか,
そういうことにやたらと執着する人がいる。
こういう人は,人からの評価が気になってしかたがない。
だれも褒めてくれないときは,自分で自分を褒めてしまう。
「自己肯定感」というのは,大人にとっても不必要なものではないので,
勝手にやってもらう分には,かまわない。
しかし,他人になりすまして自分で自分を褒めるのは,哀しすぎるのでやめるべきである。
どうしてばれてしまうかは,インターネットの仕組みをある程度知っていたら
わかるはずなのだが。
さて,教育に関する議論をする上で,邪魔になるのが
相手が「格上」だとか「格下」だとかいう「序列意識」である。
私は幸いにも,そういう意識をもたずに議論できる職場で仕事をしている。
しかしそんな職場はごくまれであろう。
多くの人は,そんな職場でのストレスを,こういうブログの場で発信して,
気持ちを紛らわせている面があるのだろう。
そんな内容を「ゴミを拾う人以下」などと呼ばれる筋合いはない。
「ゴミ以下」のものを散らかし放題の人からなら,なおさらである。
気に入らない相手を常に「格下」へと落とし込んで満足するような態度は,
指導力不足教員によく見られた。
「おれより下のやつがいる」というのが,
「おれには指導力がある」ことの根拠になるのだ。
問題行動の指導をするとき,
「あいつはおれよりひどいことをしている」
などとわめき始める子どもと同じレベルである。
指導力不足教員でもどうしても使わなければならない学校なら,
そういうことを言わせて安定させるのも一つの手段だが,
そうでなければ,どれだけ問題があるかを本人につきつけるしかない。
問題行動を繰り返す生徒への対応と全く同じである。
根気よく続けなければならない。
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