失言・暴言がなくならない理由
失言・暴言といったら,一昔前は
「政治家」の「十八番」?だったはずだが,
今では教師から芸能人まで,
その裾野は広がりを見せている。
言うまでもなく,情報があっという間に広がる条件が整った時代であるし,
そういう失言・暴言を取り上げることで
「収益が上がる」人たちが増えているからでもある。
「次は何かな」「次はだれかな」などと
「待ち構えている人」がいる構図は,あまり気分のいいものではない。
そういう人たちは,
失言・暴言を発した主を糾弾するのが仕事であり,
それらの失言・暴言によって傷つけられた人を救済することは眼中にない。
「言われた人に変わって,言った人間を痛めつけてやる」
という発想は,「正義」の考え方とは異なる。
「年収が低い人間はぜいたくなものを食べに来るな」
などと聞こえてしまうような言葉は,せっかくの食欲を消し去るものである。
だれにとってもプラスにはならない。
社会にとって,何かプラスになることを発信したい。
自分や社会にとって,何かプラスになる情報を得たい。
そういう人が増える社会にならないと,
何だか低い方へ,低い方へとレベルが下がっていく気持ちになっていく。
人は,自分より低いレベルの人間がいると,安心してしまう傾向がある。
自分より高いレベルの人間がいると,不安になる傾向がある。
上の「安心」は,「危険」のしるしであり,
下の「不安」は,「安全」のしるしである。
「安心」の結果,生まれるのが「失言・暴言」である。
「不安」の結果,生まれるのが「正しい危機感」である。
「安全」な道を,人も社会も目指すべきである。
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