「教員養成系大学」ならだれでも入れる時代へ?
教員を志望する人が減ってきている?
その理由は,子どもだけでなく,保護者対応が大変だから?
退職金がいつカットされるか分からない公務員に魅力はない?
・・・・・・・
私にはよく分かりません。
教育界にとってあまりうれしくないのは,
「教員養成系大学って,だれでも入れる大学のことでしょ」
なんて言われる時代が到来することです。
私は同僚の出身大学をほとんど知らないからかもしれないのですが,
「教員養成系大学」を出て教師になっている人を,ほとんど知りません。
自分も「教員養成系大学」の出身ではないので,
どういう人がそういう大学に入っているかもよくわからないのです。
しかし,そういう大学の志願者が減っているということは,
おそらく,「教員志望の人が減っている」ということなのかもしれません。
よほど「教員養成系大学」の教育に問題があるのでなければ。
今しばらく,「ゆとり世代」の大学受験が続きます。
教師になって,「ゆとり世代なので学力が低い」とか,「教養が足りない」
とか,「知識がまるでない」などと批判されたくないから,教師にはなりたくないのか,
どうかは分かりません。
新聞記事で紹介されていた,「保護者対応が大変になっている」のも,
確かなことだと思います。
今は,
「うちの不出来な子がご面倒をおかけしまして」
なんて態度で学校に頭を下げてくれる親は減って,
「うちの出来のよい子ができるようにならないのは,先生の教え方が悪いからだ」
なんてくってかかる親が,核分裂のように増えているのが現状でしょう。
「教え方が悪い」のは当たっているかもしれませんが,
「うちの子だけができない」のは,別の原因があるのではないかと,
少し想像力を働かせてもらいたいものですが,
先生が40人を相手にしている(中学校なら200人とか400人を相手にしている)ことがどういうことか,想像してもらえないのがつらいところですね。
私は毎日学級だよりを書いて自分たちを励ましてくれた先生とか,
本気で自分たちを叱ってくれた先生とか,
そういう先生に出会えて,いつの間にか,そういう先生になっていました。
今は,そういう先生がもうほとんどいなくなっているのかもしれません。
教員養成系大学の先生って,何をしていた人がつとめているのでしょう?
それすら知らないのは,幸か,不幸か,それすら分かりません。
« テストの解答用紙をスキャンしてPDFにしておく理由 | トップページ | 見え透いた嘘を重ねていく中学生・・・でなく,中年 »
「教育」カテゴリの記事
- 教員になりたての人がすぐ辞める理由(2019.01.12)
- 教育は「願ったもの勝ち」「言ったもの勝ち」ではない(2019.01.08)
- 「一人も見捨てない」は罪な要求である(2019.01.04)
- 列で並ぶこと自体が好きな?日本人(2019.01.01)
「ニュースより」カテゴリの記事
- 止まらないビールの需要減(2018.12.30)
- 五輪ボランティアの数字を見て(2018.12.27)
- 南青山に似た環境の公立学校は,頑張った。(2018.12.23)
- 愛校心によって大切なものを失った経験から(2018.12.16)
「ブログネタ」カテゴリの記事
- 「大人になったら教師はいなくなる」は大間違い(2017.11.27)
- 歴史用語半減による「ゆとり」が生むもの(2017.11.19)
- 「功を焦る子ども」に成長が阻害される「弱者たち」(2017.09.26)
「「ゆとり教育」」カテゴリの記事
- 「働き方改革」の前に必要な「学び方改革」(2017.07.01)
- 義務教育でアクティブ・ラーニングに取り組ませる目的(2017.05.21)
- 中学校の先生は,同時にいくつの仕事を進めているか(2017.05.01)
- 理解するよりも誤解する人が多い教育論(2017.03.13)
- 小学校による子どもの違い(2017.03.09)
「学力向上」カテゴリの記事
- 教師の成長力を奪う力(2017.11.19)
- 成長をとめないために(2017.11.18)
- 普遍性,汎用性があると誤解する「研究者」たち(2017.11.10)
- 小学校の授業を参考にする高校教師(2017.11.08)
- 最低限の教育の場の確保を!(2017.11.06)
「教職教育」カテゴリの記事
- 「総合的な学習の時間」の指導ができるように教育できるのはだれか(2019.11.24)
- 生徒との対話の中から自然に目標達成へのルートをつくる(2018.12.26)
- 私でなくてもいい,私ではない方がいい(2018.12.14)
- 現実的な教育内容や教育方法の議論がなぜ小学校や高校では役に立たないか(2017.12.29)
- 日本の教育に欠けている「適時的で適正な評価」の発想(2017.12.25)
「教師の逆コンピテンシー」カテゴリの記事
- 遠慮しないで情報を提供しろ!~いじめを見逃す環境との戦い(2018.12.29)
- 偶然の重なりと緻密な演出~インスタレーションから受けた刺激(2018.12.22)
- 子どもから有能感を奪い取る方法(2018.11.25)
- 量より質が大事なものと,質より量が大事なものとは?(2018.04.23)
- 現実的な教育内容や教育方法の議論がなぜ小学校や高校では役に立たないか(2017.12.29)
この記事へのコメントは終了しました。
« テストの解答用紙をスキャンしてPDFにしておく理由 | トップページ | 見え透いた嘘を重ねていく中学生・・・でなく,中年 »
コメント