教育実習生を担当される先生へ ~あなたは指導案のダメだしを何回までやっていますか?~
教員養成の世界では,
「教育実習の充実」は欠かせない要素の一つであろうが,
学校現場における教育実習は,
教師にとっては「負担増」,
生徒にとっては「授業の質の低下」というあまりうれしくない代物である。
もちろん教師は若いころの自分を思い出しながら,
情熱をもって教育に取り組もうとする学生を見て悪い思いはしないし,
生徒は自分と年齢が近い若いお兄さんお姉さんに接することができて,
いい刺激にもなっている。
ただ,教育実習生は「お客様」ではない。
企業で言えば,正式な「従業員」の一人となる。
だから企業は本気で教育に取り組むだろう。
教育実習生を受け入れる学校側はどうか。
本気で教師を育てようと思って教育実習生を鍛えているか?
その指標は,それほど難しくない。
指導案を何回くらい突き返しているか。
授業の反省に何時間くらい費やしているか。
子どもたちとどのくらい過ごさせているか。
この姿勢は,
自分自身が教育に向き合う姿勢とぴったり重なるはずである。
もしも,
教育実習生が授業をしてくれるから,
自分は息抜きができる,
なんて教師がいたとしたら・・・・
教育実習は,現場の現在の教育の質も,将来の質も下げるのに
貢献している制度ということになる。
« 視力検査で分かる? 生徒と学校の個性 | トップページ | 私はデジタル人間 »
「教育」カテゴリの記事
- 教員になりたての人がすぐ辞める理由(2019.01.12)
- 教育は「願ったもの勝ち」「言ったもの勝ち」ではない(2019.01.08)
- 「一人も見捨てない」は罪な要求である(2019.01.04)
- 列で並ぶこと自体が好きな?日本人(2019.01.01)
「教職教育」カテゴリの記事
- 「総合的な学習の時間」の指導ができるように教育できるのはだれか(2019.11.24)
- 生徒との対話の中から自然に目標達成へのルートをつくる(2018.12.26)
- 私でなくてもいい,私ではない方がいい(2018.12.14)
- 現実的な教育内容や教育方法の議論がなぜ小学校や高校では役に立たないか(2017.12.29)
- 日本の教育に欠けている「適時的で適正な評価」の発想(2017.12.25)
「仕事術」カテゴリの記事
- ネガティブ・ケイパビリティ~解決困難な問題に正対し続けられる資質能力(2017.12.04)
- 準備体操なしで全力疾走させるような授業はアウト(2017.11.26)
- 歴史用語半減による「ゆとり」が生むもの(2017.11.19)
- 教師の成長力を奪う力(2017.11.19)
- 成長をとめないために(2017.11.18)
「教師の逆コンピテンシー」カテゴリの記事
- 遠慮しないで情報を提供しろ!~いじめを見逃す環境との戦い(2018.12.29)
- 偶然の重なりと緻密な演出~インスタレーションから受けた刺激(2018.12.22)
- 子どもから有能感を奪い取る方法(2018.11.25)
- 量より質が大事なものと,質より量が大事なものとは?(2018.04.23)
- 現実的な教育内容や教育方法の議論がなぜ小学校や高校では役に立たないか(2017.12.29)
「教育実習」カテゴリの記事
- 現実的な教育内容や教育方法の議論がなぜ小学校や高校では役に立たないか(2017.12.29)
- 日本の教育に欠けている「適時的で適正な評価」の発想(2017.12.25)
- 鉄道トラブルと学校教育の劣化の共通点(2017.12.23)
- ネガティブ・ケイパビリティ~解決困難な問題に正対し続けられる資質能力(2017.12.04)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント