中国の政府と国民を区別した後,どうする?
中国政府がやろうとしていることは理解できない,と言っている人がいる。
多くの日本人は,そう感じているだろう。
それは,単にマスコミの論調がそうだからというわけではない。
日本人の感性が「中国は理解できない」と言っている,そういう言い方が伝わらない文化の国もあるだろうが,論理を超えて,共感してしまう部分があるから,仕方がない。言葉では説明しにくい。
「論理」が大好きな人がいるが,それは「共感」が得られない人の武器にすぎない面があることも忘れてはならないだろう。
論理的に考えることができても,体験や共感がともなわないものは,「理解した」とは言いにくい。
「習得された知識」とも言いにくい。
多数の少数民族をもち,多くの国と国境を接している国の「たいへんさ」は日本人には理解しにくいだろう。
ただ,一定の論理さえあれば,「わかる」こともある。
日本には,中国という国がそもそもどういう国か,なぜ中国共産党が国の中心なのかがわかっていない人が多い。
だから,こんな「見当はずれ」の言葉が語られることがある。
>尖閣諸島の問題は、中国国民の意思とは関係なく、中国共産党(幹部)の意向ではないかと思える
・・・・今,日本政府も,日本国民も,
尖閣諸島の問題をどのように「問題」と考えているのか,その「理由」すらわかっていない人がいるということである。
また,悪い癖として,国民と政府を完全に別のものに見立てて,
「国民は悪くない,政府が悪い」
という「論法」で納得して終わってしまっている人がいるのだ。
仮に,将来,中国の分裂が起こるとする。
尖閣諸島の問題はどうなっていくだろうか?
すぐに答えられないだろう。
結局,自分が無責任なことを言っているにすぎないことに気づかなければならない。
ほとんど責任を持たないですむ人間を山ほど生み出してきた日本の教育。
その成果がそこにもあった。
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