「なでしこ」の商品価値
女子サッカーの国際大会で「なでしこ」は5位となった。
同じ大会のTV視聴率は,去年の3分の1に下がり,「商品価値」の暴落をなげく声も聞こえる。
WBCに注目が集まっているのはわかるが,やはり「5位」という結果への目は厳しいものがあるだろう。
監督や選手は,その「冷たい視線」や「雑音」に耐えなければならない。
体格で劣る選手が大きなホームランを打ったり,豪快なシュートを決めるのは,
日本人が喜ぶタイプのスポーツの醍醐味である。
「柔道」のすさまじい「価値」暴落,「レスリング」の「消滅」問題と,暗い話題が多いスポーツの世界で,
WBC台湾戦の大逆転劇のようなものは,小さい子どもにも「夢」を与えてくれるという意味で,本当に喜ばしい。
ただ,こういう「華やかな舞台」を見ると,
「結果に結びつかない努力」があることの厳しさに,やりきれない思いも浮かんでくる。
東大合格者数の特集を雑誌が組む季節である。
高校の「商品価値」が決まる季節なのだ。
受験者数にも大きな影響が出る「東大合格者数」は,
「経営」にとっては大きな財産である。
これを,都立の中高一貫校がまねしようとしている。
本末転倒の極みである。
数字や結果に表れないものについて,いかに意味を語れるかが「教育」である。
ゴールを誤り,「自殺点」を増やそうとしているのだ。
仮にWBCで日本が連覇を逃しても,私は日本野球にとって大きな収穫があったと考える。
ただ,その野球に関しても,
「東京ドームの風」疑惑が心配である。
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