作文力のつけ方
小学校の教師には,平気で嘘を教える人がいる。
「作文では,起承転結を用いろ」というもの。
もう,こんなことを本気で教えている人はいない。
そもそも起承転結は,漢詩の絶句のように,
起承転結が楽しめるもののためにある文章スタイルである。
当たり前だが,
「自分の言いたいこと」を書くとき,
「自分が相手に強く伝えたいこと」を書くときは,
そんな形式にこだわる必要はない。
論文を書くときのことを考えてみればよい。
「転」などあってはならないのだ。
今,仮に「起承転結」が大事だ,なんて指導する場合も,
「転」は「視点を変える」などの意味で使われており,
本来の意味の「転」ではない。
>言いたいことを強調するために、起承転結がある
などというのは大嘘である。
知識の更新を強く訴えている本人が,
全くそれに応えていないところが痛々しい。
人間には,
「わかっている」が「できない」ことがある。
「できない」ことを何とか「できる」ようにさせることができるのは,
学校のように,「教育」の機能があるところでないと難しいらしい。
文学や詩文と,「言いたいことをストレートに強調する」ための文は違うのである。
漢詩のように,一定の形式の中で書く力を伸ばす,
ということも大事だろうが,
言いたいことはストレートに言う。
書きたいことはストレートに書く。
それが一番大事なことである。
「何の役にも立たない」だけでなく,平気で「誤解をまき散らす」という意味では,
本当に「迷惑なブログ」である。
知識はあっても,
それが活用できないのが,学力をめぐる問題の一つである。
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