「再分配」が機能している各都道府県の教育事情
人口1000人当たりの教職員数が最も多いのは島根県である。
上位の県は,高知,徳島,岩手,沖縄と続く。
一方,人口1000人当たりの教職員数が少ないのは
東京,神奈川,埼玉,大阪,福岡の順である。
この違いがどうして生まれるのかは,説明するまでもないだろう。
人口1000人当たりの教職員数ランキングは,
地方公務員数ランキングと高い相関を示している。
一方,最低賃金や基準地価,県民所得,高卒求人倍率とは負の相関となっている。
もし「経済格差をなくすためには教育(教員の数を確保すること)が重要」という考え方があるとすれば,その条件は満たされているということになる。
団塊の世代くらいの年代の人間は,
「東大合格者の数」が大好きなようだから,
大学進学率でその「成果」を見ようとすると,
島根県は29位と,47位の沖縄,46位の岩手と比べると,検討はしている。
1位は京都,2位は東京,3位は神奈川である。
2012年の全国学力テストの結果では,島根県は32位である。
沖縄は47位,高知は44位。東京は6位。
島根県の教員数は約9,000人で
東京都は約75,000人。
他に仕事がいくらでもある地域で,教員を確保するのは難しい。
質の確保が難しいというのは当然の話である。
ただ,教員の質がどのようなデータに反映されるかを厳密に測ることは難しい。
人口1000人当たりの教員数と学力調査の結果には,相関はみられない。
組織率が低くても,組合が「勢力をふるう」県と,学力調査の結果が悪い県には相関があるようだが。
教員は,数ではない。
意識である。
教育に対するやる気である。
東大に何人入ったかなどを気にするのは,塾の先生だけでいい。
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