教育に情熱をかけるのに邪魔になる行為
旧年中は当ブログをご覧くださりまして,まことにありがとうございました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
文部行政をはじめ,教育におけるよい変化の年となりますことを祈念しております。
さて,長野県の新年の教育ニュースは,
問題教師の情報が異動先の学校に伝えられていない,
ことが問題としてとりあげられていました。
市町村教委と県教委の関係の問題もありますが,
これは,管理職から管理職への情報伝達をすればすむ話だと思います。
問題教師ほど「回転」は早いですから,
どうあがいても,自分の学校にやってくる日が来ます。
前の管理職は,正直に,一番大事な情報
~子どもへのわいせつ行為など,信用失墜行為にあたることの履歴~
を次の管理職に伝えるべきです。
ただ,こういう「マイナス情報」を,
おそらく「教育的な配慮」として,伝えない人間が教師には多いのです。
中学校に上がってくる児童の「問題」を,きちんと伝えない小学校教師が昔は多かったですね。
指導要録という,公的な記録には,「問題」は記載されません。
ですから,小中学校では,わざわざ,
小学校の担任と中学校の新担任が顔を合わせて,情報交換をする会を開くのです・・・・・
そんなことをしていない?
それだけ,「信頼感で結ばれている」小中なら,いいですね。
でも,より強い「信頼感」で結ばれるためにも,
「引継」は大事です。
小学校時代の「いじめ」など,情報によって,中学校で避けられる問題はいくつもあります。
これを「伝えない」小学校教員の信念とはどのようなものでしょうか?
「子どもを色眼鏡で見させない」
そういう考え方をする人間ほど,強く子どもを「色眼鏡」で見ていたことが経験上わかります。
中学校教師は,簡単にわかるのですよ。
子どもは,小学校時代よりも,高い「言語力」にもとづいて,当時の状況を説明してくれます。
「悪い情報は,教育をするのに邪魔な情報になる」
という考え方がいるのは,「教育」を別の言葉に書き換えれば,
「なるほどね」
と思われるものになるでしょう。
「悪い情報」を隠す
これこそが,教育にとって本当に邪魔な行為なのです。
小学校教育にとってネックなのは,
「そんなにたくさんの問題があったクラスなんですね」
と言われるのが嫌だから,「問題」を伝えない教員がいること。
教科担任制の導入を,急いでほしいと思います。
これで,硬直した6・3・3制度の見直しにもつながります。
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