学力についての「無責任な発言」とは,このこと
>暗記力プラスアルファーがなくては、学力があるとは言えないということだ
>私の考えでは、暗記力プラスアルファーとは、覚えた知識を駆使して応用できることであり、そういう力が学力という用語にふさわしいと思う
「暗記力」がベースになっている「学力観」など,
まともな教師がつとめている学校現場には存在しない。
学力のイメージは,学校教育法の第30条にある,
「生涯にわたり学習する基盤が培われるよう、基礎的な知識及び技能を習得させるとともに、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくみ、主体的に学習に取り組む態度を養うことに、特に意を用いなければならない。」
をベースにすべきである。
基礎的な知識はなぜ「覚えさせる」のではなく,「習得させる」必要があるのか。
「覚えた」「暗記した」に過ぎない「知識」は,テストが終われば「忘れ去られる」運命にあるからだ。
基礎的な知識は,「覚える」ことで身に付く,と考えている教師はいないはずである。
それを身に付けるまで,いろいろな体験や試行錯誤をくり返すうえで,自分の頭でしっかり「考える」ことをするから,「習得」できるのである。
授業で穴埋めプリントを用意して,その( )に入る言葉だけをただ黒板に書いてみたり,言葉で伝えるような授業では,基礎的な知識は「習得」されない。
「暗記力」をベースに学力を考えるような人間には,教壇に立つ資格はない。
だれに向けて発信しているのかは不明だが,
目糞鼻糞を笑う
レベルの指摘である。
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