体罰依存症は,まだ表面的な問題に過ぎない
体罰で「補完」する教師の姿勢は,教育問題の一面でしかないことに,もっと多くの人に気づいてほしい・・・・どうしてもマスコミだよりの考え方になってしまうかもしれないが・・・。
学校教育が,社会のルールとは別の「慣習」のもとに行われていることを,改革すべき重要な問題であると提起してくれる人はいないだろうか。
たとえは悪いかもしれないが,律令制は廃止になっていないまま,武士の政治が始まった。
律令制は完全に過去のものではなく,現在でも引き継がれているものがある。
この律令制を今の法律におきかえて考えると,学校での慣習は御成敗式目にあたる。
武士の慣行を成文化したものが,御成敗式目である。
学校の慣行には,不文法・不文律に基づいているものがある。
この代表が「体罰」である。
これ以外にも,授業を自習にしてまで,つまり,本来は専念すべき職務を放り出してまで,学校外の用務で出張させることがあるという慣行もある。
勤務時間が過ぎても,部活動の指導は行う,
土曜日曜も試合を組む,というのが,一部の(多くの)教師にとっては都合が悪い不文律である。
いい加減な授業をして,いい加減な評価をしても,
責任は問われない,というのが不文律である。
日本社会には,強い要素もある。
が,反面,自分たちのルールで勝手に動く,という弱いところがある。
その「弱さ」を「強烈に教育している」のが,学校という場所である。
それが「強さ」の原動力になっているから,やるせないわけである。
「体罰」だけを見ていては,学校は変わらない。
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