自動採点機で採点できてしまうようなテストは,塾に任せればよろしい
大昔のコンピュータの導入を得意気に語っている人間がときどきいるが,
その内容を読めば,どのくらいのレベルの教育を行っていたかがよくわかる。
マークシートで実施できるようなテストは,採点の効率を考えているだけで,テストを受ける子どもの本当の「学力」を測定する気などさらさらない。
学校でこのようなテストを得意がってやっていられるようなレベルだから,塾に先を越されるのである。
「子どもに向き合う」と言ったとき,それは単に子どもの前に立っていることを指すのではない。
子どもが1つの作文を書いてきたとする。
その作文に対して,子どもの文章量の何倍ものコメントをつけて返せる教師が,「子どもに向き合っている」姿の一例である。
そういう仕事は,部活動の指導が終わった後にするのが,普通の教師である。
事務作業があるから部活動に出られない,という教師は,「子どもに向き合っている教師」とよばなくてよいのは当然のことである。
学習指導要領の改訂の趣旨をよく読んでほしい。
子どもの学力向上は,教師の質にかかっている。
テストの質を変えれば,学力は今よりもっと向上する。
「記憶」ですむようなテストばかりを繰り返しているから,問題解決能力がつかないのだということは,戦前の教師ですら,わかっていたことである。
それにしても,アイロンがけまで自動の洗濯機はどこで売っているのか,教えてほしい。
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