生徒をその気にさせるかどうか
子どもは元来わがままなものである。
困った教員のわがままさ加減と比べれば,「屁」みたいなものである。
子どもの「やる気」を伸ばせない教員がいる。
子どもから「やる気」を奪う教員がいる。
そういう子どもを学校で救えるのは,教員であり,子どもである。
かくして,「この学校には必要ない(いたら迷惑となる)教師」のリストアップが完成する。
教員は,大人だから,
ちゃんと気づいている。
しかし,大人だから,
見て見ぬふりをする。
こういうとき,本当の力を発揮できるのは,子どもである。
生徒をその気にさせることができる教師かどうかは,
授業を参観するだけでわかってしまう。
こんなことを言う教師がいる。
「おまえたちのやる気のなさはなんなんだ!」
前の授業で,元気に意見をぶつけ合っていた生徒を見ていた教員は思う。
「おまえの子どもをひきつける能力のなさはなんなんだ!」
子どもをその気にさせる力。
かつては,教師としての資格の第一には数えられなかった要素かもしれない。
営業の仕事,接客など絶対に向かないような教員が,教壇に立っていた。
相手が何を思い,何を考えているかにいっさい関心のない人間でも,教壇に立てた。
しかも,「人望」がある人もいた。
子どもを褒めたりおだてたりすることが全くないのに。
行動パターンは同じでも,全く「人望」のない教員もいた。
どこに違いがあるのか。
子どもがその気になるかどうか,の違いである。
何がそうさせるのかわからないから,ペーパーテストではわからない。
言語化できないから,本や論文なんか読んでもわからない。
結果からしか判断できない。
~しておけば,~することはない・・・なんて予想に意味はない。
~してもしなくても,~してしまう可能性はいくらでもある。
でも,~させない教師がおり,~させてしまう教師がいる。
もっと教師の行動をつぶさに分析しなければ,教育の研究にはならない。
おそらく,何もわからないだろうが。
大学の教員くらい暇でないと,こういうことを考えることはできないのだろう。
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