子どもの目が「能力主義」「成果主義」になっている
子どもの考えや行動が,時代を先どりしている場合がある。
子どもや保護者の教師を見る目が厳しくなった。
教育委員会や社会が「成果主義」「能力主義」などを取り入れようとしているより前から,子どもの目は「年功序列」とは縁のないものになりつつあった。
子どもたちは,実によく,教師それぞれの能力や態度に見合った行動や反応をする。
教師たちは「観点別学習状況の評価」を適正に行っていることにしているが,
そんな評価ができる指導をしていないことを,子どもの方が見抜いている。
教師が行っている授業の「成果」を一番よくわかっているのは,子どもである。
教師ではない。
教師は自分の能力をしっかりと把握しているのだろうか。
おそらく把握できていないだろう。
しかし,子どもは把握できている。
子どもは,実質的に,教師の能力や成果を評価する機会を奪われている。
一部,「空気を読まない・読めない」子どもが,本心を明かすようになってきた。
「空気を読めない」子どもにとって,最も重要なのは,自分の考えである。
これを耳にして初めて,教師は子どものことが「わかった」と言える。
教師に遠慮することが礼儀であり,傷つけてはならないものだと信じている子どもから,教師は何を学べるというのだろう。
アンケートをする場合は,本音を書きそうな子どもだけで十分である。
校長などより,もっと厳しい目をもっているのは子どもである。
子どもは「能力主義」「成果主義」の評価の目をもっているが,それを生かす場は,自分が教師になって立つ教育現場だけである。
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