教育公務員の「転籍」先は?
ある大手スーパーは,正社員を減らし,パートに命運をかけるとのことである。
家内の友人は,仕入れから何から,正社員がするような責任ある仕事を次々に任されて,
「それはないんじゃないか」という感想を抱いているらしい。
しかし,能力のある人を企業は見逃さない。
能力があり,賃金が安ければ,願ったりかなったりである。
正社員の「転籍」先は,コンビニ店だそうだ。
コンビニ経営でノウハウを生かさせるという。
これを教育現場にあてはめて,「授業」というものに重点をおけば,
「講師」に命運をかけ,
「正社員」は公営の小規模な「塾」のオーナーに転籍,ということか。
最近の「講師」の中には,退職した大ベテランもいるから,
あながち「夢物語」でもない。
競争が激しく流動的な社会が嫌な人間が,公務員を志向し,教員になる。
こういう人は,民間企業の厳しい現実を知らないから,
「ああ,公務員でよかった」と思うことだろう。
競争がなく,安定だと思い込んでいる公務員には,
給料や退職金の減額という現実がつきつけられるようになった。
自分の「損」には非常に敏感だが,
子どもたちの「損」には全く無頓着な教師たち。
新規採用で授業が成立しないところ,人間がいなくなってしまったところに,
実際に働きに出ている「満額の退職金を受け取ったお金持ち」の退職者もいる。
それほどまでに「授業」「生活指導」は難しいものなのか。
「子どもがいうことを聞かない」「親がクレームばかりよこす」
などは単なる言い訳である。
たしかに,すべての子どもとすべての親に見放されたら,公務員と名乗って現場に立つ資格はないだろうが。
「塾」という手ごろな「転籍先」が見つかれば,退職者は激増するだろうか。
しかし,「塾」は競争原理が働いている場所である。
やはり学校しか居場所はないらしい。
« 政治家への批判ができて教育への批判ができない深海魚 | トップページ | 教育ブログの村から大臣誕生!? »
「教育」カテゴリの記事
- 教員になりたての人がすぐ辞める理由(2019.01.12)
- 教育は「願ったもの勝ち」「言ったもの勝ち」ではない(2019.01.08)
- 「一人も見捨てない」は罪な要求である(2019.01.04)
- 列で並ぶこと自体が好きな?日本人(2019.01.01)
「ニュースより」カテゴリの記事
- 止まらないビールの需要減(2018.12.30)
- 五輪ボランティアの数字を見て(2018.12.27)
- 南青山に似た環境の公立学校は,頑張った。(2018.12.23)
- 愛校心によって大切なものを失った経験から(2018.12.16)
「教育改革」カテゴリの記事
- 改正教育基本法第16条の問題点(2018.12.28)
- 今,手を抜いていると,公教育の民営化が本格化したとき,・・・(2018.11.24)
- 国後島で考えたこと~日本の教育(2018.10.02)
- 都合の悪いことに目を向けさせなくする教育(2018.09.08)
「教師の逆コンピテンシー」カテゴリの記事
- 遠慮しないで情報を提供しろ!~いじめを見逃す環境との戦い(2018.12.29)
- 偶然の重なりと緻密な演出~インスタレーションから受けた刺激(2018.12.22)
- 子どもから有能感を奪い取る方法(2018.11.25)
- 量より質が大事なものと,質より量が大事なものとは?(2018.04.23)
- 現実的な教育内容や教育方法の議論がなぜ小学校や高校では役に立たないか(2017.12.29)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント