子どもは教師を選んで態度を変える
教育現場に立った経験がある人はすぐにわかると思う。
すべての人には,自分の学校時代を思い出してもらえばいい。
子どもは,先生によって態度を変える・・・・・・
「最適化」をはかるのである。
その技術たるや,学校によってはことのほか「高度」で,
A先生が語る「学級観」とB先生が語るそれが180度違っている,ということも起こりうる。
「どれが本当の学級像か」は,
実は,
だれにもわからない
のである。
一応,「これが学級像だ」と言えるようになっているものは,
担任教師が語るそれである。
しかし,これが「実態」と全く異なっている場合がある。
担任教師の指導力を疑わなければいけない場面である。
子どもは,教師を選んで態度を変えるのである。
「いじめ対策教員」は,公言しなくても,いつか子どもには知られる存在である。
場合によっては,子どもが本気でSOSを発信できる相手になるかもしれない。
しかし,それでは担任教師の立場がない。
そこまで子どもが気をつかうと,
担任教師だけではなく,
「いじめ対策教員」も死んでしまうのである。
私はこの政策には何の効果もないばかりか,
弊害の方が大きいと思われる。
こういうことは,本当に「いじめ」が深刻で,その対応に苦慮した経験がある教員でないと理解できないことかもしれない。
« 「責任」のスルーパスが大好きな学校づくりに荷担する行政 | トップページ | 「競争で協調性を育てる」人が見失っているもの »
「教育」カテゴリの記事
- 教員になりたての人がすぐ辞める理由(2019.01.12)
- 教育は「願ったもの勝ち」「言ったもの勝ち」ではない(2019.01.08)
- 「一人も見捨てない」は罪な要求である(2019.01.04)
- 列で並ぶこと自体が好きな?日本人(2019.01.01)
「いじめ問題」カテゴリの記事
- 遠慮しないで情報を提供しろ!~いじめを見逃す環境との戦い(2018.12.29)
- 現場感覚のない人が社会感覚のない人にアドバイスを送る教育の世界の不思議(2018.12.01)
- いじめや暴力行為が多い自治体の「いじめ」対策の共通点(2018.10.31)
- いじめがない(認知されていない)学校で,いじめがある学校よりもたくさん実施されていることとは?(2018.10.30)
- データから見える「いじめ」発見の難しさ(2018.10.29)
「ブログネタ」カテゴリの記事
- 「大人になったら教師はいなくなる」は大間違い(2017.11.27)
- 歴史用語半減による「ゆとり」が生むもの(2017.11.19)
- 「功を焦る子ども」に成長が阻害される「弱者たち」(2017.09.26)
「教職教育」カテゴリの記事
- 「総合的な学習の時間」の指導ができるように教育できるのはだれか(2019.11.24)
- 生徒との対話の中から自然に目標達成へのルートをつくる(2018.12.26)
- 私でなくてもいい,私ではない方がいい(2018.12.14)
- 現実的な教育内容や教育方法の議論がなぜ小学校や高校では役に立たないか(2017.12.29)
- 日本の教育に欠けている「適時的で適正な評価」の発想(2017.12.25)
「仕事術」カテゴリの記事
- ネガティブ・ケイパビリティ~解決困難な問題に正対し続けられる資質能力(2017.12.04)
- 準備体操なしで全力疾走させるような授業はアウト(2017.11.26)
- 歴史用語半減による「ゆとり」が生むもの(2017.11.19)
- 教師の成長力を奪う力(2017.11.19)
- 成長をとめないために(2017.11.18)
「教師の逆コンピテンシー」カテゴリの記事
- 遠慮しないで情報を提供しろ!~いじめを見逃す環境との戦い(2018.12.29)
- 偶然の重なりと緻密な演出~インスタレーションから受けた刺激(2018.12.22)
- 子どもから有能感を奪い取る方法(2018.11.25)
- 量より質が大事なものと,質より量が大事なものとは?(2018.04.23)
- 現実的な教育内容や教育方法の議論がなぜ小学校や高校では役に立たないか(2017.12.29)
この記事へのコメントは終了しました。
« 「責任」のスルーパスが大好きな学校づくりに荷担する行政 | トップページ | 「競争で協調性を育てる」人が見失っているもの »
コメント