教師の仕事は子どもの夢や希望を育てるものである
「教師になるのが夢でした」
なんていう人を,現場は求めていません。
「夢のままの方がよかったんじゃないか」
という声をかけなければならない瞬間が刻々と迫っているから。
中には,教師になったあとも,そのまま「夢の中」にいる人がいる。
だから,周囲の教師の負担がたえない。
「教師になったら,こんないいことがある」なんていうイメージを,
「仕事へのご褒美」だと思うことは決して悪いことではありませんが,
公立学校の教師になるのであれば,「教育公務員になる」ことの意味を考えてほしいのですね。
あなたは,だれのための「教師」なのか。
子どもたちにとって不幸なことに,
根本的に,
決定的に,
絶望的に,
この部分が完全に欠落している人間が,ときどき間違えて採用試験に合格してしまう。
あなたは,だれのために「働く」のか。
最近は,異動のない「私立学校」への就職希望者が増えているという。
「めんどうな保護者対応がなさそうだから」「深刻ないじめがなさそうだから」などと,正直に,のたまわれる。
こういうのは,私立学校に入っても苦労するだろう。
少しでも「楽」そうな・・・・そうそう,費用対効果だ。
同じ給料なら,ラクな方がいい。
たのしい方がいい。
そういう人間たちでもなれてしまうのが教師という職業。
最初の立ち位置がきちんとしている,
そういう人を選ぶことはできないのだろうか。
ある人はこう語った。
最初から教師になろうなんて考えてたやつに,ろくなやつはいない。
いや,教師に限らない。
人間,ふとしたことをきっかけに,実際に自分がつく職というのが決まることが多い。
それは,だれかが「あなたは~に向いている」というアドバイスを受けて,実際にやってみて,本当にはまった,というケース。
人間は,自分で自分が何に向いているかはわからない。
人から,何に向いている,というアドバイスを受ける環境で生きていることが,最も,自分にあった職業を見つけやすい,ということ。
そういう意味では,教員養成系の大学というのは,どうだろう。
きちんと,「あなたは教員には向かない」「教員よりも,~が向いている」と言ってくれる先生がいるのだろうか。いないか。教員しか経験したことがない教員に教わっているのだとしたら。
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(追記)こういう記事を書くのも,少し考えものだ,というところもあります。
面接では,利己性が見える人間より,利他的な人間に高い評価を与えます。
だから,「ずっと私は先生になりたかった」などという子どものようなことを言う人間は,二の矢への対処を間違えれば,それで終わりになるのです。
しかし,「子どもに夢を与える仕事」というテーマで,しっかりと論文を書く練習をしてきた人は,面接官の心をつかむ「志望動機」が話せるでしょう。
面接は,面接官の心をつかむ話をすればよいのです。
そういうコツだけ知っている人が,本心を隠して高い評価が得られるのが面接だから,本当に評価とはやっかいなものです。
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