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教師として現場に立つ前に・・・宮部みゆき『ソロモンの偽証』の一読を!

 自分自身を,社会を,教師を,親をふくめた大人たちを,徹底的に批判的な目で見ることができる中学生の存在。

 とても重たい台詞が多い小説ですが,この「重さ」に耐えられる覚悟がない人は,教師にならない方がいいでしょう。
 
 教師がよく「世間知らず」と非難されますが,そう言われるケースの一例は,

 「あまりに楽観的すぎる」から。

 一般の社会人からは「無責任」に見えるわけです。

 『ソロモンの偽証』を読めば,少なくとも,心情的には「無責任」ではいられなくなるはずで,そういう意味では分厚い三冊の本ですが,教師(になろうとする人)を覚醒させる効果があるかもしれません。

 100ページに3行ずつくらいの割合で,思わずうなってしまう内容が入っています。

 子どもが怖くなって,教師になるのをやめよう,と思うようになる人も増えるかもしれませんが・・・・。

5行ほど,引用させてもらいます。第Ⅰ部の374頁です。

******************

 同級生や級友だからといって,一切の隔てがないわけではない。現実は逆だ。成績。容姿。運動能力。適切な場面でみんなにウケることを言えるかどうか。性格の明るさと暗さ。ありとあらゆる物差しで,生徒たちは互いを計り,計られる。そうして付き合う相手を決める。先生たちは,人間はみんな平等につくられているというけれど,そんなのは嘘だ。大人の社会に区別や格差があるように,学校のなかにもそれはある。子供は誰でもそれを知っている。理解している。認めている。

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宮城谷昌光の言葉

  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
    「楽毅」第三巻より
  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
    「楽毅」第二巻より
  • なにかを信じつづけることはむずかしい。それより、信じつづけたことをやめるほうが、さらにむずかしい。
    「楽毅」第二巻より
  • からだで、皮膚で、感じるところに自身をおくことをせず、頭で判断したことに自身を縛りつけておくのは、賢明ではなく、むしろ怠慢なのではないか
    「楽毅」第二巻より
  • こうする、ああする、といちいち目的と行動とを配下におしえつづけてゆけば、配下はただ命令を待つだけで、思考をしなくなる。この四人はいつなんどき多数の兵を指揮することになるかもしれず、そのときにそなえて自立した思考力をもつ必要がある。
    「楽毅」第二巻より
  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
    「楽毅」第三巻より
  • 勇と智とをあわせもっている者は、攻めるときよりも退くときに、なにかをなすときより、なにもなさないときに、その良質をあらわす
    「楽毅」第二巻より