教師になってすぐの人が,初めて知るであろうこと
いろいろあると思います。
子どもの学力は,そう簡単には伸びない。
子どもの中には,本心を悟られないようにすることに「長けている」者がいる。
親は,心の中で思っていることと,違っていることをよく口にする。
こんな人でも教師を続けてこれたんだな,という人がいる。
こんなすごい中学生がいるんだ,と圧倒される。
部活動の指導って,こんなに責任が重いものなんだ,と実感する。
指導力のある人とない人のギャップがすごい。
自分に,期待をかけてくれている人と,そうでない人がいる。
話しかけやすい教師と,そうでない教師がいる。
子どもの前と,教師の前とでは,人格が違うのではないか,くらい変わる人がいる。
校長は,想像していた以上に,学校にいないものだ。どうやって責任をとるのだろう。
会議は長いが,ほとんど参加していない人がいる。
生徒に人気がある先生と,そうでない先生がいるのは,自分の子ども時代から知っていたが,その理由のバリエーションがかなりあることに気づく。
学校には,すごくたくさん仕事をしている人と,非常勤講師と同じ程度の仕事量の人がいる。
学年によって,全く雰囲気が違う。
中学校3年生は,すごく大人に見える。(しかし,自分が育てて持ち上がった3年生は,いつまでたっても子どもっぽく見える)
授業がとても荒れている教師がいる。
実技教科を完全になめている生徒が多い。
学校では,とてもよくものがなくなる。
落し物が届いても,ほとんど取りに来ない。
子どもは,緩いルールの方に簡単になびいていく。
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もしあなたが教師2年目で,すぐに異動になり,異動先で中学校3年生の学年主任をやることになったら,最初の学年集会で,何を話しますか?
学校の中で,教師は,何を考えて毎日を過ごさなければならないのでしょう。
それは,「自分がリーダーになったらどうするか」です。
同調性圧力が強い文化の中にあって,自分の頭の中の思考だけですら,「上から目線と受け止められるのがこわい」なんて恐怖心をもっていたら,何も先には進めません。
今そこに,「指導が成立していない教師」がいるときに,どうフォローできるか。
「指導方針」もなく,惰性で動いてきて,子どもに完全になめられている崩壊教師を,どう扱うか。
教師2年目でも,放置してはならない問題なのです。
「どうしてあたりまえのことを,あたりまえにできない学校になっているのか」
という問いを持たない教師の集団では,何も変わりません。
でも,あなたは知るでしょう。
学校と言うのは,「内部から変われる組織ではない」ということを。
もし「変える」としても,あなたの想像の及ばないくらいの労力がかかるでしょう。
それと比べると,荒れた中学生100人を完全におとなしく着席させるくらい,楽なことです。
楽な方を,集団は選びます。
個人としての思いは,そうでなくても。
そのあきらめが,今の,その,現状を招いているのです。
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