あなたはきっと,いい先生になれます
右を向けば,心が洗われるような笑顔に出会い,
左を向けば,即刻,その場で注意を促すべき行為に出会う。
それが学校現場というところです。
ある瞬間は精神科医で,瞬きをした後は,外科医にならなければならない。
40人学級だからではありません。
2人学級でも,そういうことはあり得ます。
「切り替え」が瞬時になされることが,大事なところ。
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佐藤優の読書論に関する本で,どこかの参考書の「国語の問題の解き方」が紹介されていました。
要は,「徹底して,相手に合わせきること」が,正解にたどりつく方法であるということ。
書き手や作問者の感性,言葉のとらえ方,世界観・・・・すべてを合わせ,
「自分の価値基準は捨て去る」・・・・これが,満点をとるコツなのですね。
実は,こういう能力は,教員になって,子どもを相手にするときも必要な資質ですから,案外,大事な「選考材料」になるかもしれません。
教師の中には,
「どうあっても,自分の言語空間が絶対基準である」人間や,
いちいち辞書を引いて,「これはこういう意味だ」と説教を始める人間がいる。
簡単に言えば,生徒や同僚の言語空間に入っていけない人間です。
教育現場と言うのは,こうした融通のきかない,
「やっかいな人間」への対処も学ばなければいけないところなので,実はそんな人間でも役には立っている。
ただ,大人も子どもも,
「できれば,いなくなってほしい」と願う。
子ども同士の問題なら,まだ,「聞き分けのない人」ですまされますが,
教師対子どもの関係で言えば,
「え~,それはないでしょう」という異議も唱えられないのが,悲しいところ。
コミュニケーションにこうした障害がある場合の対処法は,
「期待しない」「そういうものだとあきらめる」ことが肝心。
私が長い時間かけで,このブログ村でも証明しました。
しかし,やっかいなのは,「そういう空気」だけは,読めてしまう人も中にはいる。
聴覚が弱っている高齢者が,悪口だけは聞こえてしまう・・・という・・・。
教師社会というのは,こういう二重苦,三重苦にも耐えられる岩盤のような精神力が求められます。
・・・・・親がそういう人間だった?
あなたはきっと,いい先生になれます。
子ども時代に鍛えられた財産は大きい。
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