相手の主張の「根拠」を考えれば,どういう人間かがよくわかる
なぜその生徒は,そういう主張をしているのか。
その根拠は何か。
問題行動を起こした生徒と向き合っている場面を想定しましょう。
「根拠? そんなものはもっていないだろう」というのは先入観。解決が先送りされかねない。
多くの生徒は,「根拠」を語ることができません。
だから,「根拠は何か」などという愚問はしない。
何が根拠になっているのかを探るような会話をすることが大切です。
そうすれば,「根拠」があったことにお互いが気づけます。
大人の書いている文章の根拠を考えてみましょう。
なぜ,この人は,こういうタイプの文章を書いているのか。
ある人は,人から見下されることを非常に嫌うタイプである。
そして,非常に正直な人である。
だから,「上から目線でものを言うな」と直言している。
こういうのは,「根拠」を探る必要のない相手です。
わかりやすいこと,この上なし。
ある人は,人から批判されることを非常に嫌うタイプである。
そして,非常に正直な人である。
だから,「悪口を書くな」と直言してくる。
これも,「根拠」を探る必要のない相手です。
これだけ気が小さいと,どれだけ生徒からなめられるか,心配になるほどです。
教育現場に出ると,本当に「気が小さい」大人たちにたくさん出会うことができますよ。
そういう人の主張の「根拠」を考えれば,どのような人間かすぐにわかります。
子ども相手なら,何とかなるなんて甘い考えで,教育現場に入り,子どものまま大きくなっただけのような人間を救うのは,「大人の教師」しかいません。
「大人の教師」を,仙人のようにしたてておきたいのは,子どものまま大きくなっただけの教師であって,本当に「若い教師を大人にしてくれる大人の教師」とはどういう人か。
教育現場に立ったら,ぜひともよく見定めて下さい。
蛇足ながら,「自分の考え」の「根拠」を後から考えるというのは,どういうことでしょう?
「後付けの論理」が得意な教師も困りものです。
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