「学習指導要領実施状況調査」でやっとわかってもらえるかも
dolceさんは「文部科学省のポチにならないために」という今年1月2日の記事で
「学力テスト」や「学力」に対する無知ぶりを披露してくれましたが,
教育課程部会(第82回)の資料として示された
「小学校学習指導要領実施状況調査」の目的や内容をご覧いただければ,
「ペーパーテスト」で調べることができる「学力」の広がりが,ご理解いただけることでしょう。
そもそも,PISAの調査で日本の高校生が「不得意」だった問題が,dolceさんの「テスト観」からは「ずれたもの」であり,そういう「テスト観」を子どもも持っていたからこそ,日本が「出遅れた」わけです。
****************************
1.調査の目的
小学校学習指導要領の改訂に資するため、学習指導要領に基づく各教科の目標や内容に照らした児童の学習の実現状況について、調査研究を行う。
2.調査の名称
「学習指導要領実施状況調査」の名称により実施する。
3.調査対象教科及び内容等
(1)調査を行う教科
小学校…国語、社会、算数、理科、音楽、図画工作、家庭、体育
(2)調査実施予定時期
平成25年2月(体育は平成25年度)
平成25年度内に分析、結果公表
※中学校については平成26年1~2月(平成25年度)に実施予定。
(3)調査対象学年
国語…4、6年
社会…4、5、6年
算数…4、5、6年
理科…4、5、6年
音楽、図画工作、家庭、体育…6年
(4)調査内容
各教科において下記の【1】~【3】の視点に基づき検証すべき事項を踏まえた調査問題を出題する。
【1】今回の改訂の基本方針に掲げられている事項の実現状況、課題等
(例)思考力・判断力・表現力の育成、言語活動の充実等
【2】今回の改訂で新設、学年及び学校を越えて移行した事項の実現状況、課題等
【3】従来より課題と指摘される事項、以前の調査で通過率の低い事項、経年比較の観点や授業時数増による相対的な習得状況の変化等の観点から把握・分析が必要な事項の実現状況、課題等
4.調査の形式(省略)
***********************
« 人に「謙虚であれ」という人の謙虚さ | トップページ | 人の「心」で遊ぶ教育 »
「教育」カテゴリの記事
- 教員になりたての人がすぐ辞める理由(2019.01.12)
- 教育は「願ったもの勝ち」「言ったもの勝ち」ではない(2019.01.08)
- 「一人も見捨てない」は罪な要求である(2019.01.04)
- 列で並ぶこと自体が好きな?日本人(2019.01.01)
「学習指導要領」カテゴリの記事
- なぜ新しい学習指導要領が失敗に終わることがわかっているか(2018.01.17)
- 現実的な教育内容や教育方法の議論がなぜ小学校や高校では役に立たないか(2017.12.29)
- 歴史用語半減による「ゆとり」が生むもの(2017.11.19)
- 教師の成長力を奪う力(2017.11.19)
- 成長をとめないために(2017.11.18)
「教育改革」カテゴリの記事
- 改正教育基本法第16条の問題点(2018.12.28)
- 今,手を抜いていると,公教育の民営化が本格化したとき,・・・(2018.11.24)
- 国後島で考えたこと~日本の教育(2018.10.02)
- 都合の悪いことに目を向けさせなくする教育(2018.09.08)
「学習の評価」カテゴリの記事
- 創造性を奪うポートフォリオ評価(2018.06.05)
- ペーパーテストだけで「評価」ができる「教科」はない(2018.05.26)
- 現実的な教育内容や教育方法の議論がなぜ小学校や高校では役に立たないか(2017.12.29)
- 日本の教育に欠けている「適時的で適正な評価」の発想(2017.12.25)
- 歴史用語半減による「ゆとり」が生むもの(2017.11.19)
「ブログネタ」カテゴリの記事
- 「大人になったら教師はいなくなる」は大間違い(2017.11.27)
- 歴史用語半減による「ゆとり」が生むもの(2017.11.19)
- 「功を焦る子ども」に成長が阻害される「弱者たち」(2017.09.26)
「「ゆとり教育」」カテゴリの記事
- 「働き方改革」の前に必要な「学び方改革」(2017.07.01)
- 義務教育でアクティブ・ラーニングに取り組ませる目的(2017.05.21)
- 中学校の先生は,同時にいくつの仕事を進めているか(2017.05.01)
- 理解するよりも誤解する人が多い教育論(2017.03.13)
- 小学校による子どもの違い(2017.03.09)
「学力向上」カテゴリの記事
- 教師の成長力を奪う力(2017.11.19)
- 成長をとめないために(2017.11.18)
- 普遍性,汎用性があると誤解する「研究者」たち(2017.11.10)
- 小学校の授業を参考にする高校教師(2017.11.08)
- 最低限の教育の場の確保を!(2017.11.06)
「教職教育」カテゴリの記事
- 「総合的な学習の時間」の指導ができるように教育できるのはだれか(2019.11.24)
- 生徒との対話の中から自然に目標達成へのルートをつくる(2018.12.26)
- 私でなくてもいい,私ではない方がいい(2018.12.14)
- 現実的な教育内容や教育方法の議論がなぜ小学校や高校では役に立たないか(2017.12.29)
- 日本の教育に欠けている「適時的で適正な評価」の発想(2017.12.25)
「教師の逆コンピテンシー」カテゴリの記事
- 遠慮しないで情報を提供しろ!~いじめを見逃す環境との戦い(2018.12.29)
- 偶然の重なりと緻密な演出~インスタレーションから受けた刺激(2018.12.22)
- 子どもから有能感を奪い取る方法(2018.11.25)
- 量より質が大事なものと,質より量が大事なものとは?(2018.04.23)
- 現実的な教育内容や教育方法の議論がなぜ小学校や高校では役に立たないか(2017.12.29)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント