機械を利用する人間によって利用される人間にならないために
先行してタブレット機を活用している地域の授業事例をみると,残念ながらタブレット機がなければできないというものではありません。
特に少人数の学校では,子どもが黒板に来て書けばすむことを,機械を通してやっているため,余計に時間がかかり,教師と子どもの「呼吸」が合わなくなってしまっている。
教科書の図をノートに写せばいい作業を,タブレット機の画面上で行っている。
機械が人間の生活を本当に幸福にしてきたのか,歴史を考えれば,光だけでなく陰の部分を見ようとしない限り,「機械」を利用する人間ではなく,「機械」を利用する人間に利用される人間になってしまうのです。
子どもにタブレット機をもたせる前に,
教師にタブレット機をもたせてみましょう。
何が変わるでしょうか。
電源が切れると使えない機械に,あわてる機会が増えるでしょう。
機械は人間の能力の向上より,退化を推し進めるための道具になってしまうかもしれません。
いずれ,機械がなくてはならない人間にさせることが,「機械」を利用させる側にとっては都合のよいことですから。
子どもに携帯電話は必要ですか?
これがなかったときには,当然ですが,「そんなものは必要ない」とみんな思っていたでしょう。
電話が通じない,電源が切れてしまった,なんて震災のときに慌てていたのは私でした。
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