悩める中学生を動かせる教師とは?
読まなくなった文庫本は,みんな教室に持って行って,置いておくか,子どもにあげてしまうのですが,家から運ぼうかどうしようか迷った一冊。
『人生の達人・本田宗一郎』・・・・・坂崎善之著,講談社文庫。
最初の一言が,
>人を動かすには,他人の気持ちになりうる人でなければならんね
で,先ほどの記事を書きました。
中学生と接していると,一人一人の「悩み」にぶつかることがあります。
完全にバリアで外の世界を遮断している子どももいれば,
表情だけで多くを語っている子どももいる。
中には,小さな入口を広げて待っている子どももいます。
声をかけるタイミングや場が,その子どもとつながれるかどうかのすべてなので,これは半分以上,その場の空気や「運」がすべて。
中学生くらいの子どもは,心だけでなく,心や体を覆っている空気も繊細にしています。
本田宗一郎は,前の言葉にこう加えています。
>その代わり,自分が悩むね。自分が悩まない人は人を動かせないと思うな。悩む経験を持っていないような者のために人は動くもんじゃない
子どもは大人の背後にあるものも微妙に感じ取って,大人との距離をとっています。
中学校から高校くらいになると,問題を抱えている教師の方が,子どもとの距離が近いのかもしれません。
小学校は,全く逆だというのが,気の毒な子どもたちを見て知っている私の認識です。
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