正しい指導と上手な指導を混同しない
若い時代は,「正しい指導」を貫こうとして,かえって子どもの反発を買い,成果が得られなかったりします。
ベテランになると,「上手な指導」ができるようになって,小手先の技術で動かそうとする結果,子どもの心が離れていくことがあります。
この順序は,なかなか逆にはしにくいものですが,やはり
若い教師は「上手な指導」を心がけ,
ベテランは「正しい指導」を心がけてくれることで,
「正しさ」=使命感と「上手さ」=戦略をバランスよくコントロールして,子どもに向き合えるようになると思われます。
学校全体として生活指導の一貫性が整っている印象を醸し出しているところには,「正しさ」を押し通すのではなく,「上手さ」を追い求めるのでもない,子どもをよく見ることによって成り立っている指導の柔軟性があるのです。
一人でこれを使い分け,ときには「正しさ」で押し,ときには「うまく」流し・・・なんてことができるようになれば,本当の意味でのベテランになります。
この記事は,以下の本の一節をヒントに書きました。
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中西輝政著『情報を読む技術』サンマーク出版
「正しさ」と「上手さ」を混同しない ~「使命感」と「戦略」の両面から見る~
後醍醐天皇と足利尊氏の政治の対比が上手に描かれています。
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