東京スカイツリーと「いじめ」
ニュースと言えば,定番の「東京スカイツリーネタ」が,TVでもちょくちょく見られるようになりました。
地元を訪れればわかると思いますが,あの場所は「住宅地」「工場街」でもあるのです。
「迷惑している人たち」が,「私たちは迷惑をしている」と言えない,そういう盛り上がり方をしていることを,私は一種の「いじめ」であると考えています。
こういう報道の「偏り方」が,日本社会の最大の特徴でもあるでしょう。
「あんなの迷惑だ」という率直な気持ちを言葉に出せば,
「盛り上がりムードに水をさすのか」
という反応が必ずやってくる。だから,思っていても言葉に出せない。
まもなく花見のシーズンになり,隅田川散策からスカイツリーに向かう人も多くなるでしょう。
必ずTVは「開業までのカウントダウン」などを始めて,
お祭りムードをあおっていくことになるでしょう。
しかし,これは一種の「いじめ」でもあるのです。
教室で,「いじめ」のような行動が,「ノリ」で広まっていく。
そこに「やめようよ」なんて「しらける」言葉を発すれば,自分が次のターゲットになることがわかっている。
冷静に考えてみれば,開業前の東京スカイツリー周辺に「トイレが少ない」なんて,当たり前のことです。
でもそれが「問題」になって,慌ててトイレを増やす。
住民へのサービスよりも,「金を運んでくる人間」へのサービスが優先される。
そんな社会がいい意味で長続きすることはないでしょう。
東京スカイツリー開業でお祭りムードが高まることが,地元住民に対する「いじめ」につながる。
これは決して「飛躍」ではないという感覚が,頭から離れません。
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