立腹されるのも,ご尤も
やるせない思いをせっかくぶつけていただいたのに,
「あなたは何をしようとし,何ができたのですか」
なんて,現場では耳にしたこともない「切り返し」に,「退職教師」様はきっとご立腹のことでしょう。
これは,自治体あげての問題ですから,責任をご自身で引き受けすぎないよう,お願いいたします。
私は,たとえ青空教室だったとしても,よい教師が存在すれば,教育は成立すると思うのです。
自費をはたいてでも,より効果的な教育を目の前の子どもに。
そういう教師の存在が,教育を支えているのだと考えています。
どんなに施設が整っていても,そこによい教師がいない限り,教育は成り立ちません。
「教えないこと」に生きがいをかけようとした教師たちもいましたが,
教えないと学びとれないものや,教えずに学びとらせるべきもののが判断できない教師は,子どもの成長にとってはただの「邪魔者」です。
しかし残念ながら,よほどの荒れた学校に勤務しないと,直接的に「邪魔者扱い」される経験はできません。
こういう経験は一度はしてみるべきでしょう。
どういう意味で,自分は子どもたちにとって「必要な存在」と言えるのか。
自問自答できるはずです。
「なぜ,自分が,この子どもたちの前で,話ができるのか」
「自分が,この子どもたちの前で,何を語ることができるのか」
荒れた学校でなくても,学校選択自由化が実現し,教師が「選ばれる存在」になることによっても,初めてそういう問いを自分に投げかけることができるようになるでしょう。
自分は,どういう責任を子どもたちに対して果たすことができたと言えるのか。
私にとって「邪魔な情報」は,卒業時になると必ず渡してくれる「感謝状」です。
うれしいとは思いますが,何の役にも立ちません。
現状満足にいたらずにすむような,より役に立つ情報を,どのようにして集めればよいのか。
そういう意識で学校評価が行われていれば,
学校は変わることができたはずです。
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