3・10だけではない,3・11だけではない
東京大空襲,東日本大震災・・・・
一度にたくさんの尊い命が奪われた日の記憶は多くの人が共有しています。
多くの人が語り継ぐ分,人々の記憶は残りやすい。
しかし,空襲や震災によって人が亡くなったのはその日だけではありません。
東京の空襲は,半年間続けられています。
人が関心を保てる範囲は限られているかもしれませんが,その多くは,語り継がれること,映像や写真によって,記憶に残されるのです。
今,NHKスペシャルで東京大空襲の未公開写真が紹介されています。
消火を義務付けられていた市民たちのバケツリレー
火災現場に向かう消防車
原宿や銀座,有楽町における消火活動
10万人が犠牲になった3・10とは別に,数十人から数千人規模の人が犠牲になる,B29による爆撃,焼夷弾による火災
アメリカが行った市民に対する無差別攻撃に関する資料もアメリカで見つかっています。
最も効率的に燃やし尽くせる地域を示した地図
アメリカはわざわざ木造家屋を密集させて建て,屋内のふすまや布団までをつかって実験し,最大の効果が出る爆弾や投下方法を開発していたそうです。
東京大空襲については,当時の米軍パイロットが,「効果的な攻撃だった」「原爆を投下したあとのように,何も残っていなかった」と証言していました。
焼夷弾の直撃で姉を失った少女は,亡くなる直前まで,その事実を子どもたちに語り継いでいました。
貴重な写真や資料,証言です。
犠牲者が生まれるに至るプロセス,犠牲者が生まれた後の人々の行動。
資料にふれるだけも十分な学習になるのが歴史です。
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