国会が「学級会以下だ」と笑えるゆとりはない
「この学校でも,いじめは起こりえます」
と答える学校と,
「この学校では,いじめは起こりえません」
と答える学校では,どちらが信頼できる学校でしょうか。
「この原子力発電所は,事故を起こす可能性があります」
と答える会社と,
「この原子力発電所では,絶対に事故は起こりません」
と答える会社とでは,どちらが信頼できる会社でしょうか。
著書『言霊』の出版が難しかったことを明かした井沢元彦だけでなく,
今では多くの人が『言霊』文化が足を引っ張る日本の特殊性に気づいていると思われます。
日本の政治が「三流以下」でも多くの人の批判の対象にならないのは,
「本当のことは言えない(言わない)ものだ」
ということがわかっているからでしょうか。
政治だけでなく,報道の世界でも同じです。
「本当に大事な情報は,一部の人しか握っていない。それが,経済的な面から見ても『真』である」
ことに,多くの人が納得してしまうのではないでしょうか。
「本当に大事な情報を握っている人かどうか」は,
「本当に大変なこと」が起こってみなければわかりません。
それはいつ来るのか。
そういう話も,できないのが『言霊』の国でした。
「本当に大変なことが起こるかもしれない」ということが言えない文化。
『言霊』の呪縛から解放される日はくるのでしょうか。
社会を変える手段として,大事にしたいのが教育。
しかし,教育現場の中だけでも,本当のことが当たり前のように話せる日は,はるか彼方のように思えてなりません。
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