情報は最大の武器である
中学校で新しい学年の準備をしている先生方は,小学校からの引き継ぎをすでに終えているところだと思います。
学校選択自由化によって,対象となる小学校が多くなるため,実際に会ってではなく,特定の用紙への記入をもって,情報を集めるケースが一般化しているかもしれません。
そこで,問題です。
より確かな情報を集めるために,学級担任以外からも情報を収集するとしたら,だれを対象にしますか?
・・・・・・・・・・・
正解は,養護教諭の先生です。
小中の養護教諭の先生間では,健康に関する情報交換をしますが,引き継ぎをするとき,たとえば学年主任も,必ず養護教諭の先生には会っておくべきです。
アレルギーなどの知識だけでなく,養護教諭の先生は,「保健室に来る回数が多い」とか,「実はいじめを受けていた」とか,担任が知らない情報をもっていることが多いのです。
子どもの保護者が担任と折り合いが悪い時,保護者の相談を受けられる有力者は養護教諭だったります。
養護教諭が担任にこのことを内緒にしている(保護者の要望を忠実に守って)場合もそうですが,中学校の教師が聞いて初めて,小学校は担任と養護教諭の間の情報交換が密ではなかったことに気づいてしまう場合もあります。
養護教諭から得られた情報によって,中学校で起こっていたかもしれないトラブルを未然に防げたというケースがあります。
この逆のケースもあります。
情報が小学校から何も上がってこなかったために,防げたはずの問題が防げなかった。原因の究明に時間がかかったために,問題がより深刻化してしまった・・・のような。
情報は,最大の武器なのです。
特に,指導力の弱い学校にとっては。
指導力があれば,何とか乗り切ることはできるのでしょうが,未然に防げるにこしたことはありません。
この記事は,以下の本の一節をヒントに書きました。
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中西輝政著『情報を読む技術』サンマーク出版
「情報は弱者にとっての最大の武器である ~経済・軍事などの物理的な力に勝る力~」
イギリスがインテリジェンス先進国になりえた背景がわかりやすくまとめられています。
日本ももう少し,朝鮮半島に近いところに位置していたら,イギリスのようになっていた???
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