教師の仕事術
経営のカテゴリーの「仕事術」にも参加させていただくことにしました。
教師の「仕事術」なんていうと胡散臭いですが,仕事=教育に向かう姿勢が教師には問われているわけであり,たんなるテクニックではなくて,教育への思い,指導の理念も織り込んだかたちでの「仕事術」を追究していきたいと考えております。
教師にとっての仕事術とは,教育や指導の技術の面であったり,芸術性であったり,時には忍術=忍耐術?であったり,戦術であったりするものです。
大事なのは,どんな技術,ではなくて,何のための技術,なぜその仕事術が必要なのか,それを考えることなのだと考えています。
問題解決学習とは何か,ではなくて,問題解決学習(のような学習)が,なぜ求められているのか,そういう面に目を向けていかない限り,意味はないでしょう。
基礎・基本を学んでいる場面でも,問題はいくらでも生じうるし,そういう問題に気づいてこそ,そしてそれを解決するための努力を積み重ねるからこそ,基礎・基本は身に付いていくのです。
学力とは何か,ということばかりに目が行って,先に進めないような人間が,教育現場にもたくさんいませんか。
「何か」から「なぜか」に問いを持って行けない人が常にぶつかるのが,「行き止まり」という壁です。
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さんざん悪態をついていたdolceさんが,逃げ道を失って最後にたどりついたのが「受容的態度の大切さ」って何だか泣けてきますね・・・。
教育を何とかしたいという気持ちは分からないでもないのですが,やはり授業実践がない,というのが致命的な欠陥です。
ヨーロッパの音楽家の作品を,「楽譜が読めない人間にもすぐに演奏させることができる」などと言ってくれればまだ読む気にもなりますが,「記憶を問うテストでは不十分」一辺倒では,何の説得力もありません。
テストはどんな内容か,というところにすら目がいかないようなので,なぜテストをするのか,という問いなど追究することは不可能でしょう。
そもそも,テストには特定の正解があって当たり前,という発想しかない人に,「学力調査」の意味は理解できないでしょう。
コンピュータばかりをいじっている人の頭には,「伴奏はコンピュータがやるから,人間は必要ありません」と言えて当たり前の思考回路があるのです。
なぜ,人間が伴奏するのか,そういう質問はしてはいけないのでしょう。
こういう人には,「演奏もコンピュータでいいんじゃないですか」という質問は,もちろん厳禁です。
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