「同じ」であることを強要する教育
みんなで「同じ」教材を見て,考え,意見を発表する。
集団での協同の学びが実現する条件に「同じ」教材がある。
しかし,考えていく先には,「違う」目標なり,探索するものが存在する。
それに対して,「同じ」教材=音符を見て,「同じ」パートの人同士は同じことをする。
そして,どれくらい「楽譜通り」にできたかを競い,順位付けをする。
両者の大きな違いは,最後に目指そうとしているものです。
各団体の演奏を聴いて,「楽譜通り」かどうか,ということではなく,その「違い」に気づき,その「良さ」を分かち合う・・・そんな授業なり活動を展開しないで,おそらく個の力を伸ばす教育はできないでしょうね。
あの団体の人たちは,「ひとりはみんなのために,みんなは(そういう態度をとる)ひとりのために」
というスローガンのもと,「同じ」であることを強要する教育をして,個々の力が伸びない状況を
放置している,という指摘があります。
「違い」の良さは,ランク付けという形で打ち消されていく。
批判的な人間などは,もってのほか,ということになります。
「どうして勤務時間にその団体の仕事をしなければならないのですか」
という質問すらできない状況。
「ひとりはみんな(団体)のために,みんな(団体)は(団体のための行動をとる)ひとりのために」
という風土がある学校で,どういう子どもたちが育っていくのでしょう。
「同じ船に乗って,滅亡へと突き進んだ帝国海軍とその団体」の行動パターンは「同じ」。
「教え子は二度と戦場に送らない」という発言は不変。
「社会」という「戦場」にも送らない姿勢が,今の「働かないでも満足」の若者を作ってきたのでしょうか。
« 組織が阻む意識改革 | トップページ | 賞狙いで競わせる感性をもつ音楽教育者 »
「教育」カテゴリの記事
- 教員になりたての人がすぐ辞める理由(2019.01.12)
- 教育は「願ったもの勝ち」「言ったもの勝ち」ではない(2019.01.08)
- 「一人も見捨てない」は罪な要求である(2019.01.04)
- 列で並ぶこと自体が好きな?日本人(2019.01.01)
「ブログネタ」カテゴリの記事
- 「大人になったら教師はいなくなる」は大間違い(2017.11.27)
- 歴史用語半減による「ゆとり」が生むもの(2017.11.19)
- 「功を焦る子ども」に成長が阻害される「弱者たち」(2017.09.26)
「教職教育」カテゴリの記事
- 「総合的な学習の時間」の指導ができるように教育できるのはだれか(2019.11.24)
- 生徒との対話の中から自然に目標達成へのルートをつくる(2018.12.26)
- 私でなくてもいい,私ではない方がいい(2018.12.14)
- 現実的な教育内容や教育方法の議論がなぜ小学校や高校では役に立たないか(2017.12.29)
- 日本の教育に欠けている「適時的で適正な評価」の発想(2017.12.25)
「仕事術」カテゴリの記事
- ネガティブ・ケイパビリティ~解決困難な問題に正対し続けられる資質能力(2017.12.04)
- 準備体操なしで全力疾走させるような授業はアウト(2017.11.26)
- 歴史用語半減による「ゆとり」が生むもの(2017.11.19)
- 教師の成長力を奪う力(2017.11.19)
- 成長をとめないために(2017.11.18)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント