学力のことを本気で考えていない人たち
分かりやすい話です。
学力とは何か,という話を,辞書だの事典だのからしか持って来れない,「部外者」の人たちです。
こういう人たちは,学校が存在するのは自明のことで,なぜ学習塾が存在するかが分かっていない。
学習塾の存在理由が分からないような人間が学校現場にいるはずはないですが,
自分より子どもが「頼りにしている人」が,学習塾という場にいることが許せない。
時代遅れというか時代錯誤というか,学校がやるべきことを極端にせばめて考えている人たち。
最も基本的なことすら身に付けていない子どもに不安を覚えている保護者に,
「あなたの学力の定義を教えて下さい」などと質問する「あの団体」の教師たち。
学力のことを本気で考えていない教師は,総合的な学習の時間の企画・運営上は完全な「部外者」だったのでしょう。
本来は,これこそが「学力だ」というPRができたはずなのに,考えることすらしなかった。
そのつけが,学力がつかずに悩んでいる子どもを前に「学力の全体像が知りたい」などという寝言のようなことを繰り返すような人間を生んでしまったことです。
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学校現場は,現在,来年度の教育課程の編成のために最後の詰めをしているところです。
全面実施となる中学校は,当然,昨年度と同じ,というわけにはいきません。
学校なりの方針を示すときです。
小学校は,今年度の教育課程の実施状況を踏まえて,どのような改善を図るかをしっかり検討しているところです。何に満足でき,何に不足していたか。
学校の「学力像」は,教育課程に表されています。
問題は,教師たちが自分の学校の「教育課程」を知っているかどうか。
何が指導の重点かを言えるかどうか。
学力とは何かを真剣に考えたことがない教師がいたとしたら,不安なところです。
なお,学校評価の結果は公表されますから,その公表内容を見れば,学校として捉えている具体的な学力観も理解することができます。
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