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「考えるヒントで考える」をヒントに考える

 小林秀雄の「考えるヒント」を手がかりに,「気鋭の若手評論家」である中野剛志が考えたことをしるした「考えるヒントで考える」(幻戯書房)をヒントに教育問題を考えてみます。

 宮本武蔵は,「観」と「見」を区別した,という話を小林秀雄がしている。

 武蔵の「見」とは,

 相手の動きを分析的に見る目であるのに対し,

 「観」とは相手の存在を全体的・包括的に直覚する目であるという。

 「見ようとする意識が,目を曇らせる」という経験を,教師はどれだけ語ることができるでしょうか。

 「見の目を弱く観の目を強くすること」が,どれだけできるでしょうか。

 観念論や精神論ではなく,実践論としての「観」を,武蔵は重視していました。

 「兵法は,観念のうちにはない。有効な行為の中にある」

 この言葉が,どれだけ響いてくるでしょうか。

 教師として,個別具体的な問題の解決に,今まで本当にひたすら専念してきたと言えるでしょうか。

 武蔵は,当面の目的を遂行しようとする実践的な行為を経験し,その経験を通じて得たものだけを信じました。

 私の場合は,いかにもあやしい「教育論」「教育実践」をどう斬っていくか,・・・しかも「対話」が成り立たない相手に対して・・・難しいことですが,「当たり前のようにおかしい」学校現場を変えていく突破口になることを信じて,異を唱えていきたいと思います。

 私にとって,「教職は,天職である」と呼んでみたいのは,

 小林秀雄が「天職」のことを,

 「自分の職業に対していよいよ深まって行く意識的な愛着の極限概念」だと言っていることからも刺激を受けているからです。

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宮城谷昌光の言葉

  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
    「楽毅」第三巻より
  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
    「楽毅」第二巻より
  • なにかを信じつづけることはむずかしい。それより、信じつづけたことをやめるほうが、さらにむずかしい。
    「楽毅」第二巻より
  • からだで、皮膚で、感じるところに自身をおくことをせず、頭で判断したことに自身を縛りつけておくのは、賢明ではなく、むしろ怠慢なのではないか
    「楽毅」第二巻より
  • こうする、ああする、といちいち目的と行動とを配下におしえつづけてゆけば、配下はただ命令を待つだけで、思考をしなくなる。この四人はいつなんどき多数の兵を指揮することになるかもしれず、そのときにそなえて自立した思考力をもつ必要がある。
    「楽毅」第二巻より
  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
    「楽毅」第三巻より
  • 勇と智とをあわせもっている者は、攻めるときよりも退くときに、なにかをなすときより、なにもなさないときに、その良質をあらわす
    「楽毅」第二巻より