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(7) 平成10年の改訂

(7) 平成10年の改訂

 平成8年の中央教育審議会の「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について」の第一次答申は,21世紀を展望し,我が国の教育について,[ゆとり]の中で[生きる力]をはぐくむことを重視することを提言した。[生きる力]について,同答申は「いかに社会が変化しようと,自分で課題を見つけ,自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,行動し,よりよく問題を解決する資質や能力」,「自らを律しつつ,他人とともに協調し,他人を思いやる心や感動する心など,豊かな人間性」,そして,「たくましく生きるための健康や体力」を重要な要素として挙げた。また,同答申は[ゆとり]の中で[生きる力]をはぐくむ観点から,完全学校週5日制の導入を提言するとともに,そのねらいを実現するためには,教育内容の厳選が是非とも必要であるとしている。
 そこで,平成8年8月に教育課程審議会に「幼稚園,小学校,中学校,高等学校,盲学校,聾学校及び養護学校の教育課程の基準の改定について」諮問を行い,平成10年7月に答申を受けた。答申においては,次の諸点に留意して改善を図ることを提言している。

 ① 豊かな人間性や社会性,国際社会に生きる日本人としての自覚の育成を重視すること。

 ② 多くの知識を一方的に教え込む教育を転換し,子どもたちの自ら学び自ら考える力の育成を重視すること。

 ③ ゆとりのある教育活動を展開する中で,基礎・基本の確実な定着を図り,個性を生かす教育の充実を図ること。

 ④ 各学校が創意工夫を生かし特色ある教育,特色ある学校づくりを進めること。

 この答申を尊重して,平成10年12月14日に学校教育法施行規則の一部を改正するとともに,中学校学習指導要領を全面的に改訂し,平成14年4月から実施した。
 学校教育法施行規則の主な改正点は,第一に,各学校が,地域や学校,生徒の実態等に応じて,横断的・総合的な学習や生徒の興味・関心等に基づく学習など創意工夫を生かした教育活動を行う時間として,各学年に「総合的な学習の時間」を創設したこと,第二に,各学年の年間総授業時数については,完全学校週5日制が実施されることに伴う土曜日分を縮減した時数とし,従前より各学年とも年間70単位時間,週当たりに換算して2単位時間削減することとし,また,各学年の各教科,道徳,特別活動,選択教科等及び総合的な学習の時間ごとの授業時数についての改正を行ったことである。
 この改訂においては,平成14年度から実施される完全学校週5日制の下で,各学校がゆとりの中で特色ある教育を展開し,生徒に豊かな人間性や基礎・基本を身に付け,個性を生かし,自ら学び自ら考える力などの「生きる力」を培うことを基本的なねらいとして,次の方針により行った。

 ① 豊かな人間性や社会性,国際社会に生きる日本人としての自覚を育成すること。
 生徒の人間としての調和のとれた育成とともに国際社会の中で日本人としての自覚をもち主体的に生きていく上で必要な資質や能力の基礎を培う観点から,社会や保健体育,道徳,特別活動等において,それぞれの特質に応じて,内容や指導方法の改善を図ることに配慮した。

 ② 自ら学び,自ら考える力を育成すること。
 これからの学校教育においては,多くの知識を教え込むことになりがちであった教育の基調を転換し,生徒に自ら学び自ら考える力を育成することを重視した教育を行うことが必要との観点から,総合的な学習の時間の創設のほか,各教科において体験的な学習や問題解決的な学習の充実を図った。

 ③ ゆとりのある教育活動を展開する中で,基礎・基本の確実な定着を図り,個性を生かす教育を充実すること。
 完全学校週5日制を円滑に実施し,生涯学習の考え方を進めていくため,時間的にも精神的にもゆとりのある教育活動が展開される中で,生徒が基礎・基本をじっくり学習できるようにするとともに,興味・関心に応じた学習に主体的に取り組むことができるようにする必要がある。このような観点から,年間総授業時数の削減,各教科の教育内容を授業時数の縮減以上に厳選し基礎的・基本的な内容に絞り,ゆとりの中でじっくり学習しその確実な定着を図るようにすることなどの改善を図った。また,生徒が学習内容を確実に身に付けることができるよう個別指導やグループ別指導,繰り返し指導,教師の協力的な指導など指導方法や指導体制を工夫改善し個に応じた指導を充実することを総則に示した。

 ④ 各学校が創意工夫を生かし特色ある教育,特色ある学校づくりを進めること。
 生徒一人一人の個性を生かす教育を行うためには,各学校が生徒や地域の実態等を十分踏まえ,創意工夫を存分に生かした特色ある教育活動を展開することが大切である。このような観点から,総合的な学習の時間の創設や授業の1単位時間や授業時数の運用の弾力化,国語等の教科の目標や内容を2学年まとめるなどの大綱化などの改善を図った。

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宮城谷昌光の言葉

  • 雲のうえに頂をもつ高山を登ろうとするのに、その山相のすさまじさに圧倒され、おじけづいていては何もはじまらない。最初の一歩を踏み出さねば、山頂は近づいてこない。
    「楽毅」第四巻より
  • みごとなものだ。斂(おさ)めるところは斂め、棄てるところは棄てている。楽氏が棄てたところに、われわれの生きる道がある。
    「楽毅」第四巻より
  • 去ってゆく千里の馬を追っても、とても追いつかぬぞ。千里の馬の尾をつかむには、その脚が停まったときしかない
    「楽毅」第四巻より
  • ・・・つくづく人のふしぎさを感じた。道を歩く者は、足もとの石をたしかめようとしないということである。千里のかなたを照らす宝石がころがっていても、気がつかない。それほどの名宝は深山幽谷に踏みこまなければ得られないとおもいこんでいる。
    「楽毅」第三巻より
  • この城をもっとたやすく落とすべきであった。たやすく得たものは、たやすく手放せる。
    「楽毅」第二巻より
  • なにかを信じつづけることはむずかしい。それより、信じつづけたことをやめるほうが、さらにむずかしい。
    「楽毅」第二巻より
  • からだで、皮膚で、感じるところに自身をおくことをせず、頭で判断したことに自身を縛りつけておくのは、賢明ではなく、むしろ怠慢なのではないか
    「楽毅」第二巻より
  • こうする、ああする、といちいち目的と行動とを配下におしえつづけてゆけば、配下はただ命令を待つだけで、思考をしなくなる。この四人はいつなんどき多数の兵を指揮することになるかもしれず、そのときにそなえて自立した思考力をもつ必要がある。
    「楽毅」第二巻より
  • 人は自分の存在を最小にすることによって最大を得ることができる
    「楽毅」第三巻より
  • 勇と智とをあわせもっている者は、攻めるときよりも退くときに、なにかをなすときより、なにもなさないときに、その良質をあらわす
    「楽毅」第二巻より