藤田晋の成長学・教師編8 褒める効果は絶大
セオリー№8 ダメ上司は「褒め殺し」でうまく使おう
教師による管理職への愚痴というのもよく耳にしました。
多くの場合は「どっちもどっち」か,教師に対して「自分の考えをもっとぶつけてみたら?」という印象が強かったのですが,「目をつけられたくない」「憎まれたくない」=「望まない地域に異動させられたくない」という気持ちが強いせいか,なかなか直言は難しい・・・そういうわけで,「お願いだから伝えてください」というタイプのものもあったのでしょう。
藤田社長は,自分に全く問題がないのなら,「まず腹をくくれ」と書いています。
具体策の一つ目は,「褒め殺し」。
ただこれも,教師の側が管理職に「話を聞いてもらう」ための前提であり,褒めて本当に殺してしまったら意味がありません。
管理職とコミュニケーションをとることを避ける傾向が強い教師たちは,
1.上司の上司=教育長に相談する
2.同僚と手を組んで(組合の力で)管理職に対抗する
という手段に出ることがあります。しかし,「権力」をもっている側に勝つのは困難であり,自滅を呼ぶ恐れが大いにあるので注意が必要,ということです。
このような対立関係は,だれにとってマイナスかというと,結局は損をするのは子どもだということを忘れてはいけません。
学校では,問題が起こったときに,「校長が責任をとってくれればいい」と考えている教師がたまにいます。
校長も教師の機嫌をとるときには,「何かあったら私が責任をとります」と言っていればよいのです。
ただ,本当に「何かがあった」場合には,そんな「社交辞令」はすっ飛ばして,とにかく問題の解決を第一にしなければならないのに,おろおろするばかりで何もできない組織になってしまう最大の原因は,コミュニケーション不足です。
日常的に体罰を繰り返している教師を見ている管理職は,「問題化」する前に改善させられればよいのですが,教師の側も際どいバランスで仕事が成り立っているような,余裕のないときには声もかけにくいものです。
しかし,それを怠れば,「私の在任中だけは・・・」なんて甘い考えていたことを後悔することになるのが落ちです。
「褒める」行為の効果は,単純な怒りからくる体罰を減らしたり,長期的に見れば指導の改善に生きる策だということです。
異動サイクルが短い管理職への「長期戦略」は難しいのですが,そこは「どうせわずかな時間で別れ別れになるのだから・・・」と腹をくくって,とにかくコミュニケーションをとることが大切でしょう。
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