「負けない方法」を知っている生徒 ふり返り366日【08/5/22】/ツェッペリン
問題行動への指導で最も困るのが,「徹底してとぼけきる」という態度です。
刑事ドラマ,裁判もの,冤罪事件の報道などで,子どもが学んでいることは何かというと,「証拠がなければ罪には問われない」「目撃者がいない限り,自分がやったと言わない限り,言い逃れをすることができる」ということで,指導している教師自身がその場で見たり聞いたりしているのに,平気でとぼける生徒がいるものです。
親に話をしても,「子どもはやっていないと言っています」の一点張りで,話は先に進まないか,逆ギレされて余計な時間を費やすことになってしまいます。
また,厄介なのは,「私の言ったことを先生は信じてくれない」と言って抗議するならまださらに指導の進展が見込めるのに,「ひたすら否認するのみ」という「裁判に勝てる態度」を撮り続けてしまう生徒です。
いきなり泣き出して他人の同情を買うように努力する子どもはまだかわいいとしても,明らかに戦略として否認を継続されてしまうと,話の納め方が難しくなります。
仕方がないので,「第三者」が行った問題行動だという前提ですべて話を進めて,ところどころで生徒の意見を聞く,というシナリオどおりの指導をすることになります。
その「第三者」が,いかに自分の心を汚してしまっているかということを納得させるまで,指導は継続します。
08/5/22 問題行動への対処法「問題行動への対処」をテーマにしたブログがあったので、以下のコメントをつけさせていただきました。
私は問題行動の「芽を摘む」作業は、教師や親やもちろんですが本人にぜひともやってもらいたい作業だと考えています。
問題行動を繰り返す生徒への私の指導は、こうです。
この問題行動は、現在はもちろん、将来の自分の人間性を悪化させる種になるものである。
そんな種をひとつひとつ植えつけていく作業はそろそろ終わりにしよう。
この種がどんな芽を出し、有害な実をつけるのか、考えてほしい。
他人も自分も、みんな損をする。
また、この問題行動が、かつて自分にまかれた、あるいは自分がまいた種が芽を出し、実をつけたものであるかもしれない。
そんな芽は自分で摘み取ってしまえ。
毒の実は捨ててしまえ。
そんなものが出てくる前に、種を焼いて灰にしてしまえ。
あなたが自分に今まくべき種は、もっと別の、実になるのが楽しみなものにしよう。
「自分がまいた種」「身から出たさび」「自業自得」・・・自己反省をせまるための言葉がいくつかありますが、「おまえ自身の性格のせいだ」「おまえの親の教育のせいだ」と他人が言っても仕方がありません。
教師は子どもの心のキャンバスに直接記入しにいくような指導をする場合があります。
しかし、子どもの心はキャンバスのように白紙ではなく、すでに多くの書き込み、彩色が施されており、場合によってはそれを汚すだけの場合もあります。
また、キャンバスを白紙にさせるような指導をする場合もあります。
これは、下手をすると危ない。子どもが「リセット」のために自ら選んではいけない選択肢をとってしまいます。
一番いいのは、「焼き捨てる」ことです。
白紙に戻すのと同じことなのではないか、と思われるかもしれませんが、人間の心は、生まれたときにはすでにある程度の絵ができあがってきています。
自分にぴったりあったイメージのキャンバスに取り替えさせ、そこに新しい線を入れ、好ましい色づけをしていけばよいのです。
それぞれに、ぼんやりとでもあらかじめ色がついているため、教師が特定の色を用意して強制しても、決してうまくいきません。どんな色がその生徒に合うか、見極める眼力が必要です。
*******************
昭和の家庭史トリビア?【第13問】
昭和4年(1929年)の話です。
ドイツの飛行船ツェッペリンが霞ヶ浦に到着したとき,初めて日本に伝えられたのはどれ?
① ソーセージ
② ゴム風船
③ ドライアイス
*******************
ブログランキング 歴史
【第12問の解答】
①でした。
« 涙の抗議は本当に効果的だったのか? | トップページ | 父親(あるいは教師)をバカにしている子どもをどうするか? ふり返り366日【08/5/23】 »
「教育」カテゴリの記事
- 学校の評価・評定は,本当に適切なのか~中学校別評定割合一覧からわかること(2018.04.15)
- コミュニケーション能力の乏しい人たちが考えるコミュニケーション能力向上策(2018.04.15)
- 成績(評価・評定)管理の不徹底問題(2018.04.14)
- 横浜市立学校の「教職員の働き方改革プラン」(2018.04.11)
- 再任用校長の「何でも言える」境遇が素晴しい(2018.04.11)
「昭和の家庭史」カテゴリの記事
- 現実的な教育内容や教育方法の議論がなぜ小学校や高校では役に立たないか(2017.12.29)
- 9月22日 犠牲にするものが変化した(2017.09.21)
- 9月16日 子どもがテレビを見なくなった(2017.09.17)
- 長子・中間子・末っ子,一人っ子の特質(2017.01.22)
- 【データから考える教育-7】 子どもの自立への不安(2016.09.18)
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/92794/45595299
この記事へのトラックバック一覧です: 「負けない方法」を知っている生徒 ふり返り366日【08/5/22】/ツェッペリン:
« 涙の抗議は本当に効果的だったのか? | トップページ | 父親(あるいは教師)をバカにしている子どもをどうするか? ふり返り366日【08/5/23】 »
コメント